元会社員の俺がカルアーツで勉強してる話

アメリカの美大の学期末ってどんな感じなの?

投稿日:2017年12月17日 更新日:





更新楽しみにしています!というメッセージを下さった皆様、大変お待たせ致しました!!そして久方ぶりの投稿となってしまい誠に申し訳ございません。髭猿です。

 

 

カルアーツに入学して以来、初めての学期末でてんやわんやしており、ブログの更新もままならない状況でございました。

 

 

当初は学期末期間中も週一更新しようと思っていたのですが、早々に『あ、これは無理だ・・・』と気が付き、今に至ります。

 

 

だがしかし!色々と追い込まれましたが、無事に学期末を乗り切ることができました。

 

 

そこで、

 

アメリカの美大の学期末ってどんな感じなの?試験は?!課題は?!

 

と気になる方も多いと思いますので、今回はカルアーツ1年目の学期末の内容をご紹介したいと思います。

 

 

日本の大学で法学部を卒業したぼくによる分析なので、もしかしたら日本の美大と大差ない部分もあるかもしれませんが。

 

 

もはやどんな感じでブログを書いていたのか忘れかけております故、なんかいつもとキャラちゃうやん、ってなってたらゴメンナサイ。ではどうぞ。

 

 

特徴1:筆記試験がない

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まず、カルアーツのキャラクターアニメーション科は、筆記試験が一切ありません。

 

 

他のメジャーや全学部共通の一般教養科目のことは分かりませんが。でもそもそも カルアーツには筆記試験を受けれるような講堂がないので、他のメジャーでも無さそうな気がする。

 

 

キャラクターアニメーション科のクラスは、

 

・出席数(4回以上の欠席で単位を落とす)

・授業への貢献度

・作品(毎週の課題)

 

で成績を判断されます。授業への貢献度は授業中の発言数等で判断されますが、ここをシビアに見ている先生は今のところ少ないです。

 

 

筆記試験がないので、最後の授業が終わったらそのまま夏休みor冬休みに突入となります。

 

 

しかしまあ筆記試験がないのは本当に嬉しい。机にかじりついて六法とにらめっこしていた日々が懐かしいです。

 

 

特徴2:学期末の課題の内容と量がエグい

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課題は毎週出るのですが、アメリカの美大は学期末になるといわゆるFinalと呼ばれるスペシャルな課題がでます。

 

 

Finalはもちろん通常週の課題よりも難易度が高く、ちゃちゃっと終わらすことができないものが勢ぞろい。

 

 

カルアーツの1年目秋学期ではFinalが5~6個あって、具体的には以下のような感じ。

 

 

・1年目のフィルムのパイプラインテスト実施

パイプラインテストとは、自分のフィルムから任意のカットをひとつ選び、その部分だけ、アニメーション、バックグラウンド、ペイント等を一通り完成させるというもの。

パイプラインテストをすることで、このシーンでこれくらいの稼動がかかるなら、エンディングはもっと大変だろうな・・・、でもオープニングは簡単そう!みたいな感じで、全体の作業感を予測し、自分たちのリソース内で完成させることができるか判断することができます。そして必要に応じて、シーンを実現可能なものへ変更していく。そういった役割があるそうです。

 

 

・1年目のフィルムのアニマティック作成

アニマティックは、作成済のサムネイルやストーリーボードの各コマに尺を振っていき、実際のフィルムの長さの中で、各シーンのタイミングが適切か判断するためのものです。

1年目のフィルムは1分半以内と決まっているので、ここは見せ場だから尺を長く取りたいけどそのためにはこのコマ削らないとダメだな、とかを考えます。

ちなみにぼくは納得がいかなくてサムネイルから作り直したけれど、それでもまだ色々迷っています。先輩は5回もサムネイルから作り直したことがあるらしい。。。

 

 

・Mayaでピタゴラスイッチ的なアニメーションを作る

ピタゴラスイッチでおなじみの、運動が自然に連鎖していく装置をモデリングして、アニメーションをつけ、テクスチャを加え、レンダリングするという課題です。モデリングとアニメーションの課題は元々出ていて、それの仕上げという感じ。

ちなみにあのピタゴラスイッチの装置はアメリカではルーブ・ゴールドバーグマシンと呼ばれています。漫画家のルーブ・ゴールドバーグさんが発明した装置らしい。気になる人はrube goldberg machineでググってみて下さい。

 

 

・Mayaでサウスパーク風のペーパーカットアニメーション作成

サウスパークで同じみの、切り絵を使ったストップモーションのようなアニメーションをMayaで作るという課題。グラフエディターと呼ばれるアニメーションの動きをグラフ化したツールの使い方に慣れようという先生の意図があるようです。

この課題は皆ギャグを入れたりしてふざけまくってて、作品の上映会はかなり盛り上がりました。

 

 

・2Dアニメーション作成(ラフでOK)

キャラクターと設定は与えられていて、それに沿って2Dアニメーションを作ります。ちなみに与えられた設定は、メインキャラクターがマジシャンの帽子の中から何かを取り出し、それに対してリアクションを取るというもの。

 

 

・キャラクターデザイン

お題に沿ってキャラクターデザインをします。これに関してはFinalではなく通常課題と同じ感じの内容でした。

 

 

アニメーションを学び始めて数ヶ月の人間にとって、これらをまとめて一気に終わらすのはなかなかしんどい。

 

 

ただ、欠席が3回以下でとりあえず全ての課題を提出していれば、基本的に単位は問題なく取れます。全ての課題を出し切るのがなかなかキツいわけですが。

 

 

特徴3:単位のために頑張るのではない





これはカルアーツに限らず、たぶん日本でもアメリカでも美大であればどの大学でも同じ状況だと思いますが、単位が欲しいのではなく、単純に良い作品をつくりたいからみんな必死こいて頑張っています。

 

 

課題で取り組んだ作品は、出来が良ければそのままポートフォリオと呼ばれる自分の作品群のひとつにすることができます。このポートフォリオを使って就職活動をするため、少しでも良い作品をつくりたい。単位が取れるかどうかは、もはやどうでも良いわけです。

 

 

特に自分のフィルム関連のパイプラインテストやアニマティックについては、皆これが課題であるということすら忘れて一生懸命取り組みました。

 

 

少しでも良いフィルムを作りたいというその一心で、納得ができるまで何回でもやり直すので、自ずと時間がかかり、他の課題を圧迫します。それ故、連日睡眠時間が2時間みたいな生活になるのです。

 

 

まとめ

やはり美大なので、学期末になると制作が立て込んでくるという感じで、なかなか忙しいです。授業を欠席して他の授業の課題をやる人もちらほら出るくらい、みんな追い詰められました。

 

 

確かに大変なんだけど、筆記試験がないので、必死に暗記する必要がないというのが個人的に嬉しい。暗記しようとしてする暗記はできる気がしないのである。気が付いたら覚えていたみたいな暗記しかもう無理だ。

 

 

睡眠時間を削ってふらふらになったので、次回はちゃんとスケジュール管理をしないとダメだと猛省しているのですが、単位のためじゃなくて、純粋な制作欲をベースに頑張るというのは、精神的にはとても健康なことだなあと思います。

 

 

ぼくが日本で大学生をしていたころは、何も身に付かなくてもとりあえず単位が欲しいと思って生きている節がありました。

 

 

そんな当時のぼくとは目指しているところが大違いで、過去の自分は一体何をやっていたんだと恥ずかしくなる。。。

 

 

さて、いかがだったでしょうか。アメリカの美大の学期末の特徴と銘打って記事を書いたものの、まず日本の美大の事を知らないので、もしかしたらそれ普通やんって内容もあるかもしれませんが、とりあえずカルアーツはこんな感じでございます。

 

 

今後もアメリカの美大やカルアーツの特徴をご紹介していきたいと思います!では!

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