最近のぼくのスケッチです。電車で描きました。
個人的にかなり気に入っていて、今のところ今年のベストスケッチです。
では、この絵を元にキャラクターデザインをしてくださいと言われたら、どんなものを描きますか?
次を読む前に少し想像してみてください。
衝撃のデザインセンス
先ほどのぼくの絵をカルアーツ合格者のコミュニティで知り合った友だち、ヤオウに送ったら、5分くらいでこれが送られてきました。
いやたまげた。久しぶりにぞわっとした。センスの塊やん。
ぼくの絵の特徴を維持しながら、簡略化して、更に親しみやすくしている。しかも5分で。
こんな猛者がゴロゴロいんのかよ、カルアーツ!興奮するわ!
皆さんが想像したものと比べてどうでしたか?
ぼくはヤオウの絵にアニメーションにおけるキャラクターデザインの神髄を見た気がするので、ちょっとそこら辺のことをまとめようと思います。
情報の多い絵はアニメーションには不向き
アニメーションという視点でぼくのオリジナルの絵を見た場合、このままアニメーションを作るのは不可能です(元々スケッチなので、アニメーションのために描いたものではないですが)。
理由は簡単で、線が多すぎる。
通常、アニメーションは映画用フィルムであれば1秒24コマで構成されています。
しかし1秒を生み出すのに24枚もの絵を描くのは大変な作業なので、現在は1秒あたり12コマだったり(2コマ打ち)、1秒あたり8コマ(3コマ打ち)のアニメーションが主流です。
ちなみに、なめらかな動きで時代を席巻したセル画時代のディズニーのアニメーションも、実は2コマ打ちで制作されています。
毎コマぼくの絵のような情報量の多い絵を描くのは時間がかかりすぎる。3Dでやるにしたって情報が多すぎます。
そこで、アニメーションを作るために、キャラクターデザインをする必要が出てくるのです。
キャラクターデザインは情報の翻訳作業だ
キャラクターデザインは、ある程度そのキャラの特徴を維持しながら、アニメーションとして量産できるレベルで情報を簡略化するのが基本ですが、それが実に難しい。
例えば、パワポで資料を作るのと同じで、難しくて長い文章ではなく、誰にでも伝わるように平易で簡潔なものに言い換えないといけない。情報の翻訳が必要なのです。
ただし、表現する際に的確な線を選ばないと、簡略化できたとしても、特徴を失ってしまいます。
キャラクターって、少ない線で描かれていてすごく簡単そうに見えるけど、少ない線で情報を伝えるのってむちゃくちゃ難しいですからね。翻訳した結果の線の少なさですから。
マイナスの作業って本当に難しい。
このような背景から、アニメーションは「省略の芸術」と呼ばれていたりする訳です。
普段のスケッチも、なるべく少ない線で描くというお題を自分で設定してみると、面白いかもしれませんね!
ポートフォリオにキャラクターデザインは必要なのか?
ちなみに、キャラクターアニメーション科やイラストレーション科にアプライするからといって、ポートフォリオにキャラクターデザインが必須だという訳ではないのでご注意ください。
こちらで記事にしている通り、別にアニメーション系の作品はなくてもかまいません。
もちろんキャラクターデザインができて損はないですが、アニメーションに特化したスキルは入学してからたくさん勉強できます。
それよりも、自分の内面を充実させて、それを表現に活かす術を身に付けましょう!
以上、キャラクターデザインについての考察でした。