2018年12月頃のお話ですが、ぼくは1ヶ月ほどドイツはベルリンに滞在してました。
ドイツって食費めちゃくちゃ安い(オレンジ1㎏で0.75ユーロ笑)し、大学院の学費は年間120~200万円だったり無料のところも多い。アメリカで働きたい!っていう人は多いけど、ただアメリカで働ければいいのか、それとも世界で活躍したいのか。しっかり考えた方が選択肢が広がって良いと思った。
— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) 2018年12月20日
日本を拠点にしながら世界で活躍している人もいる。何でもいいからとにかくアメリカで働きたい!!っていうのは1番難易度が高い。そもそもアメリカはワーホリすらない。でもビールとソーセージが目の前にあるので今はそれを頂きます。
— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) 2018年12月20日
フリーのイラストのお仕事が少しずつ軌道に乗り、これはもしやこのまま頑張りつつ生活費が安い国へ行けば絵で食っていけるのでは?なんて考えていたところ、アート活動やフリーで仕事をするならどうやらベルリンがアツいという情報をキャッチ。
思い立ったら即行動。将来を見据えた調査と友人への訪問を兼ねて、実際にベルリンへ行ってみたわけです。ということで今回はアーティストやノマドワーカーがベルリンで生活する魅力についてまとめてみます。それではどうぞ!
なぜベルリン?
ビザが取りやすい
何と言ってもまずはこれ。圧倒的にフリーランスビザ、アーティストビザが取りやすいことで有名です。ビザの延長は少々難易度が上がるらしいが、初回取得はかなり簡単とのこと。ワーホリもあるし、ドイツ国籍が無くても長期滞在しやすいのが何よりも魅力です。
英語だけ話せればOK
ベルリンは超国際都市なので英語だけで何の問題もありません。ドイツの首都なのにドイツ語がほぼ必要無いという、なんとも不思議な街なのです。
生活費が安い
家賃(シェア)、食費、交通費、通信費、諸々全て込みで、850ユーロ/月あれば余裕で暮らせます。なんなら、ちょっと良い暮らしができます。これは正直テンションぶち上がる。LAだったら850ドル全部家賃に吸われるから…。ベルリンで850ユーロを全部家賃にぶっ込めば一人暮らしできるので、どえらい違いですよね。ベルリンならアトリエの確保すら実現可能。
公共交通機関が発達している
ベルリンはバス、電車、地下鉄、トラム(路面電車)と、公共交通機関の整備がしっかりしていて、車を所有する必要がありません。しかもひとつの切符で複数の交通機関にまたがって乗り換えが可能なので、本当にラクチン。
しかも自転車大国のドイツとあって、ベルリンでもシェアサイクルは盛んなので、駅から家までのラストワンマイルも移動に困ることはありません。
文化レベルが高い
上記の理由からベルリンを拠点に活動すアーティストが非常に多く、それ故ギャラリーや美術館も豊富です。毎年2月にベルリン国際映画祭が開催されることからも、アートシーンにおけるベルリンの重要性が伺えます。
ベルリンってどんな街?
そんな訳で、世界中からお金のない若いアーティストやスタートアップ企業が集まるので、非常にエネルギーと活気に溢れた街です。一方で当然ながら歴史的建造物や観光地も多く、古いもの・アナログなものを大切にする雰囲気の中に若いクリエイティブな人たちが混在しているのがとても面白い。
『革命を起こすために必要なことは若いこと、貧乏であること、無名であること』と毛沢東が言ったらしいですが、まさにそれが全部あるのがベルリン。
いわゆるヒップスターと言われる人が多く、他人が何をしているかどこへ行くか何を着ているか、誰も全く気にしない。それがとにかく居心地が良くて、とっても気楽でした。ぼくは滞在した1ヶ月ではスーツを着ている人は1人しか見かけなかった。
今回人生で初めてベルリンへ行ったけれど、ぼくは惚れた。安くて美味しくて楽しい。グラフィティが豊富なのも個人的にかなりプラス。クラウス・ヴォーヴェライト前ベルリン市長が『ベルリンは貧しいけどセクシーな街だ』と名言を放っているけど、非常に的を得た表現だと思います。
ただしジェントリフィケーションの真っ最中
日本では聞き慣れないジェントリフィケーションという言葉。日本では普段の生活の中で耳にすることはほぼありませんが、アメリカや海外のアートシーンでは日常的によく聞く言葉で、国際人として知っておくべき現象です。
ジェントリフィケーションとは、
・比較的貧困な地域に、生活費を抑えたいアーティストが移り住む
・ギャラリーができるなど、文化的活動が発達する
・街がややイケてる感じになり、感度が高い若者が流入してくる
・街が更にイケてる感じになりそこに投資家が目をつける
・マンション、ショップ、レストランなどの開発が行われる
・中・高所得層や富裕層が流入する
・更なる高級マンションや高級ショップの開発が進む
・地域が高級化=物価や家賃が高騰する
・元々住んでいた住民やアーティストたちは生活費を払えなくなり追い出されてしまう
という現象のことです。
ジェントリフェケーションがピンと来ない人も、ニューヨークって昔は危なかったけど今はオシャレなイメージだよねという話題ならイメージしやすいと思います。ソーホーなんて今や銀座っぽい高級感あふれる街ですが、その背景はまさにジェントリフィケーションです。
ベルリンは、今まさにジェントリフィケーションのど真ん中。今現在は家賃も食費も全て込みで月850ユーロあれば生活できますが、いつまでそれが続くかはぶっちゃけ分かりません。今はベルリン人気の上昇により部屋を探すのも大変になってきているらしく、もしかしたら今からの移住はもう遅いくらいかも…。
ぼくらが滞在していたアパートの大家さん(日本人)にお話を伺ったところ、この3年で家賃が異常な速度で高騰していると仰っていました。早い人はもうベルリンからライプツィヒに移りつつあるらしく、一部ではライプツィヒのことを第2のベルリンと呼んでいるそうな。ベルリンより更に生活コスト(特に家賃)が安いライプツィヒですが、ドイツ語が多少必要なのがネック。
ベルリンのここが微妙
冬は毎日曇り。青空は一切見えなくて鬱になりそう。
ちょうど12月に約1ヶ月滞在しましたが、晴れの日はゼロでした。とにかく暗い。朝9時の段階で夕方6時くらい暗い。頭では朝だと分かってても、日光がないから体がいつまでたっても起きなくて、活動してても倦怠感がヤバかった。この記事の写真、全部曇っててなんかベルリンって楽しくなさそうって思いませんでした?つまりそういうことです。上の駐輪場の写真とか世紀末かよって感じだよね。
お昼でこの暗さである。これが冬の間ずっと続くのはなかなかキツいですよね…。
寒い。当たり前だけど、冬めちゃくちゃ寒い。
さみーよ。LA(年中温暖)からのベルリン(冬地獄)はさすがにキチーよ。ユニクロの通気性の良いジーパンにくるぶしソックスという冬をナメきった出で立ちで到着したので、即ベルリン市内のニューヨーカーというお店で女性用タイツと長靴下を購入する(男性用タイツが見つからず)というややこし買い物をしました。せっかくシェアサイクルが盛んでも寒すぎて自転車なんか乗る気にならない。
まとめ
実際にベルリンに滞在してみて、ビザが取りやすくて生活費が安い、更に街のインフラ水準もとても高いので、アーティストやフリーランスワーカーにとっては素晴らしい街だと思いました。ただ上述の通り家賃が高騰してきているので、今のままの住みやすい状況が向こう10年続くかというと、結構微妙な気がします。長期間定住したい人はドイツ語を勉強してライプツィヒに行く方が良さそう。
非常に個性が強い(あとめちゃくちゃ寒い)ので好き嫌いはかなりハッキリと分かれる街だと思いますが、ぼくにとってはもう選択肢の有力候補と言っても過言ではない。もう家賃が高騰しつつあるけれど、海外でアート活動がしたい方、ノマドワーカーとして生活したいと思っている方は、是非候補のひとつにベルリンを入れてみては?では!