『絵がうまい人ってなんで絵がうまいのか』
『どうやったら絵がうまく描けるのか』
と疑問を持つ人は多いですよね。ぼくもそうでした。
絵を描くプロセス
そもそも絵を描くという行為は、
観る→理解する→描く
というプロセスで成り立っているとぼくは思っています。
絵を描くって、描くだけで成立する行為じゃないんです。本当は描く前に2工程あるんです。
冷静に考えればそりゃそうですよね。目つぶって絵描けます?描けないよね?観ないと描けないんだよ。モチーフをしっかり観て、『あーこれはこれくらいの大きさでこんな質感でこういう目的でここにあるんだな』って理解して、それでやっと描けるんですよ。
描けない問題は画面の外にある
でもぼくは最初の頃それに気が付かなかった。
なんでうまく描けないんだろうって自分の絵ばかり見返していました。画面の中に問題があると思っていたんです。
でもそんな事をしていても一生絵なんて上達しないんですよ。
だって絵がうまく描けない原因は画面の外にあるんだもの。
観る→理解する→描く
このプロセスの中で、どこで自分が躓いているかを把握する事は、絵の上達において非常に重要です。
そして絵が描けない人というは、『観る』と理解する』をすっ飛ばしている人がめちゃくちゃ多い。
ぼくもすっ飛ばしてました。というかその工程の存在と重要性に、そもそも気が付いていなかった。
絵が描けないという人は絵が描けないのではくて、観ていないんです。
どう観て、どう理解すればいいのか
だったら観ればいい。一生懸命モチーフを観るだけで、絵は格段にうまくなります。
ではどう観ればいいのでしょう。
ひとつの目安は、特徴を言葉で説明できるようになる事です。色んな特徴を情報として入手できると、それだけで絵は描きやすくなります。
すると『特徴ってなんなの?』って大体言われるんですけど、ぼくは特徴は違いと同じだと思っています。
他のものと比べて違う部分は、それがそのままモチーフの特徴です。
だから違いを見つけるに、ただ観るだけでなく比べることが大切です。
違いを見つけ、特徴として把握することが理解につながります。
マグカップは大きいか、小さいか。
例えば手元にマグカップがひとつあって、これをデッサンするとします。
この状況でマグカップの特徴を何個あげることができるでしょうか。これは結構難しいと思います。というか不可能ですよね。
なぜならマグカップがひとつしかないからです。特徴=違いは比べないと分かりません。
このマグカップが大きいのか小さいのか、重いのか軽いのかは、ひとつでは比べようがありません。
一生懸命モチーフを観るだけで絵は格段にうまくなると言いましたが、それだけでは不十分。
やっぱり必ず他のものと比べることが大切です。比べることでモチーフの事を正しく知ることはもっと大切です。
目の前にある木を描きたいなら、他の木や他のものも一緒に観察してみましょう。
そうすることで、対象の木の特徴や情報をしっかり把握することができます。
絵のうまさは画面の中にはない
いやあるんですけど、画面の中にも絵がうまい要素はたくさんあるんですけど、一番の根本はやっぱり観察力にあると思います。
絵のうまさのベースは、画面の中の出来事ではないんです。
鉛筆を握る以前に、どれだけモチーフを観ているか、どれだけ違いに気が付けるか、どれだけ理解して情報量を得ているかが非常に大切なんです。
『この人何でこんな細かい質感まで拾えるんだろう』って思えるような絵を描く人は、絶対にめちゃくちゃモチーフを観察しています。
質感表現をするためのタッチがどうのこうのというテクニカルな話の以前に、モチーフの質感の特徴に気が付いて理解しているかどうかが問題なんです。
特に初心者であれば、絵がうまく描けない理由は、ほぼ画面の外にあると思います。
だからこそ、最初はブラインドコントアーという手法で絵を描くのがおすすめです。
おまけ
観る→理解する→描く、という絵を描くプロセスですが、最近は、
観る→理解する(&感じる)→描く
なのかなーと思っています。なんか。
[…] 絵がうまい人は何で絵がうまいのか […]