カルアーツにアプライするためにせっせと作品を作っていた頃、ファッションデザイン専攻の人に、『ライフドローイングはラクでいいですよね』と言われたことがあります。
『良いですよね作業時間が短いから、別に先生にダメ出しされても。作業時間、長くても20分とかでしょ。ファッションは2週間から1ヶ月かけて作成したものをボロクソ言われるからキツい』
なるほど、ライフドローイングはそう見えるのか。
確かにライフドローイングは短時間で描くことが多いけれど、ぼくたちはモデルさんがポーズを取ってくれている20分の中だけで描いているわけではありません。
与えられた20分で完成度の高い作品を仕上げるために、1年以上努力を重ねています。
実はカルアーツ キャラクターアニメーション科のrequirementをよく読むと、ライフドローイングを1年以上描いている事、という条件があります。
短時間だからこそ高い技術が求められ、自分のキャリアの全てを凝縮し描いているわけです。
良いライフドローイングなんて、たかだか数回やったくらいでは絶対に描けません。
それこそ本当は何十年も鍛錬がいる。そしてその鍛錬に終わりはない。そういうものです。
決して短い時間で描いているわけではないのです。
もちろんそれは、ファッションデザインはもちろん、他の専攻にも言えることですね。
手を動かしている時間だけが実際の作業時間ではありません。
ライフドローイング、甘く見ちゃだめですよ。
というか他の専攻の作品を甘く見てはいけません。
何でもそうですが、物事の上達には本当に時間がかかります。
だからこそ、ポートフォリオにおいてライフドローイングを重視している大学に留学を希望している人は、要注意です。
その場しのぎのようなスキルでは、到底太刀打ちできません。