このシリーズは、海外美大留学や絵の勉強法方に関するノウハウではなくて、その名の通りぼくのカルアーツ合格体験記です。
アニメーション映画が作りたい!そのためにはカルアーツに行きたい!という目標ができたのは良かったものの、本当に一切絵を描いたことがなかったぼくは、とりあえず仕事を継続しながら絵を習うことにしました。
絵の学校がない
しかし、ぼくはその当時岩手県に住んでおり、海外美大受験を対策してくれる美大予備校はもちろん、アートスクールすらありませんでした。
日本では海外美大留学はまだまだ未開拓の分野で、海外留学コースが併設されている美大予備校は東京にしかなかったのです。
しかし岩手から東京へ毎週通うのは金銭的に難しい。
東京にあるその美大予備校に電話して相談してみたところ、とりあえず通信コースでデッサンをするのが良いんじゃないかと提案されました。
そこで、まずは通信コースを受講することにしました。まったくデッサンなど描いたことがなかったので、岩手にいる間はまず基礎をかためることにしたのです。
この時は、東京へ異動になったタイミングでちゃんとした学校に通えば良いと考えていました。
通信コースでデッサンを習い始める
デッサンの通信コースは確か3週間で一個の課題をこなしていくというもので、3~4ヶ月程受講したと思います。
ちなみにこのときのぼくは、
・画用紙に表裏があることを知らない
・鉛筆の正しい削り方があることも知らない
・練りゴムじゃなくて普通のプラスチック消ゴムを乱用する
ような状態で、完璧な素人でした(完璧な素人って日本語は正しいのだろか)。
課題は果物、靴、人物(写真)などで、終わった課題を東京へ郵送すると、自分が描いたデッサンの上にシートがはられ、そこに先生のデッサンと指導メモが書かれて返ってきます。
ぼくが頼れるものはこの先生からの指導メモと本屋さんで購入してきたデッサンの書籍しかありませんでした。
そのときの課題がこちらです。
始めて描いたデッサン(ヤバめ)
恐らく構図という言葉を知らない罪深い時の作品
当時はこれでも生まれてはじめての割には良くできてるなんて勘違いをしていました(笑)
今見るとひどさにゾッとします…よくここからカルアーツに合格したもんだ。
このときはまだ仕事をしていたので、作業は平日夜と土日でした。
素人が通信から絵を始めるのはあまりおすすめしません
カルアーツに合格するためにはクロッキーが重要であることはこのときから分かっていたので、本当は毎週クロッキー会に参加したかったのですが、やはり岩手県ではクロッキー会もありませんでした。
東京本社に転勤になれば、土日は学校に通える。クロッキー会にも参加できる。そう思い、日中は必至で仕事、平日夜と週末は通信コースの課題という生活がしばらく続きました。
勉強したくても一人でやるしかないこの時期はなかなか辛かったです。モデルさんを描きたくてもその環境もなく、自分のやる気をどこにぶつければいいか分かりませんでしたし。
ちなみに今思うと、通信コースという選択はあまり良くなかったと思います。やはり実際にうまい人が描くところを見た方が理解しやすいからです。
鉛筆の使い方やトーンの付け方等は言葉で説明を読むよりも、実際にうまい人が手を動かしているところを見た方がはるかに分かりやすいです。
別に受験対策でなくても良いからカルチャースクールの大人の趣味の絵画コースみたいのに参加した方が良かったと思います。それかオンラインコースがあれば良かったなあと思います。
なので当時のぼくと似たような境遇の方で絵をこれから始めてみようと思っている方は、是非人から直接教わることをおすすめします。
本当にどうしてもそれが難しい場合は、なるべくYoutubeでメイキング映像などを見るように心がけると良いと思います。出来上がったものではなく、出来上がるまでの過程を見ることが、上達にとても役立ちます。
デッサンを始めたい人はこちら:おすすめの画材~とりあえずこれだけあれば間違いない~
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