こんにちは。2017年9月から、アメリカ・ロサンゼルスにあるCalifornia Institute of the Arts(カルアーツ)でキャラクターアニメーションを学んでいる髭猿です。今回はアニメーションではなく、日本人が話す英語についての記事です。
読者の方の中には留学を目指して英語学習に励んでいる方も多いと思うので、
・日本語なまりの英語ってダサい?
・そもそもカタカナ発音でちゃんと伝わるの?
・日本人はアクセントを気にしすぎ?
そんなことについてまとめてみました。それではどうぞ!
日本人はアクセントのクセが強い?
僕は成人してから本格的な英語の勉強を始めたので、日本人が英語を話す際の標準的なカタカナ英語の発音です。それに対し他の留学生の英語がうまいのなんの。アクセントのクセがほとんどないし、ネイティブのハイスピード日常会話にも余裕でついていってるし。
どう考えてもぼくの英語力がダントツで低かったので、入学当初からビビりまくっていました。その差はなかなかエグく、もはや周りの留学生の英語がうますぎて人前で話すのが嫌になるほど。
これはどうしたものか。発音の練習をしたほうがいいのかどうしようか考えていたところ、たまたまYouTubeで良さげな動画を見つけたのです。
日本人のアクセント=サムライアクセント
【以下動画の要約】
日本人が英語を話せるようになる3つのコツ
1.目的を明確にする
あなたが英語を話す目的は何?
ネイティブアクセントとサムライアクセント(=日本人のアクセント)で英語を話すのは全くの別のことと理解する。英語非ネイティブが大人になってからネイティブの発音を身につけるのはほぼ不可能に近いくらい難しい。
ネイティブのように英語で会話ができると何が起こる?
ネイティブの発音ではないけど英語で会話ができると何が起こる?
→英語で何をしようとしているのかが大切
中国に行ったときにスーツケースを買った。そのとき中国人の店主はカタコトの英語で値段交渉に応じてきた。
- 自分の目的:スーツケースを買う
- 店主の目的:スーツケースを売る
店主は自分の目的を達成するのに英語がネイティブである必要はまったくない。目的によって必要な英語レベルが変わる。
英語で会話がしたい、海外の友達が欲しい。という目的の場合、発音がネイティブである必要はない。サムライアクセントで100%通じる。むしろサムライアクセントはカッコいい!英語を話しているのはネイティブだけではないから、ネイティブ発音をしている人の方が逆に少ない。日本人が日本人のアクセントで英語を話してて、それを気にする人なんか誰もいない。
自分が英語を話す目的をちゃんと正しく理解することがまず大切。
※ネイティブみたいに話せるようになるのが目的って場合はもちろんOK
2.わざと下手な英語を使う
実際に単語を羅列するだけのような英語を使ってみると、それでも問題なく通じることが分かるはず。下手な英語でも通じるじゃん!と実感することで英語を使うハードルが下がる→英語を使うようになるから成長できる。
もしアクセントを馬鹿にしてくるヤツがいたら、そういう人とは一切付き合わなくていい。
3. リスニングのスキルを上達させること
スピーキングは単語の羅列でもいけるからあんまり気にしなくても良い。でも相手が何話しているかわからないと会話はできない。だからリスニングだけは地道な努力が必要。
こんなに平和で安全でどこに行っても水が飲める美しい国はそうそうない。日本人が思っている以上に外から見たら日本は素晴らしい国。おもてなしなどに代表される日本特有の文化を広めれば、世界はもっと良くなる。だから自信を持って英語を使って、和の心を広めよう!
要は、日本人のカタカナ英語のアクセントはむしろカッコいい。ジャパニーズアクセントは世界の人が憧れる“サムライアクセント”なんだぜ!っていう内容です。だからネイティブみたいなアクセントなんていらないからガンガン話そうぜ!と励ましてくれています。
サムライアクセント。なんとカッコ良い響きだろうか。
ぼくは単純なので、
日本人特有のカタカナ英語のアクセント→サムライアクセント
と一瞬でマインドが切り替わりました(笑)。サムライアクセントっていう名称に惚れたわけです。
おもくそカタカナ発音で話してみた
自分のサムライアクセントに誇りを抱いた僕は、早速実践。授業・カフェ・日常会話と、とにかくいたる所で大きな声でおもくそカタカナ発音改めサムライアクセントで話してみました。
その結果、頑張ってそれっぽい感じで無理やり発音していたときより伝わったのです。何これめっちゃ楽。大きな声で話せば日本人特有のアクセントでも余裕で伝わる。
結論、堂々としていることが何より大切。やっとアクセントに対する自分の認識が変わりました。
サムライアクセントに対するネイティブの評価は…?
日本人のサムライアクセントの印象をネイティブスピーカーに聞いてみたところ、当たり前だけどアクセントに関してはフラットな意見が多く、別にかっこ良くも悪くもないようです。
なんだよ、サムライアクセントかっこよくないのかよ!と残念がっていたら、ネイティブの友人が、『別にアクセント気にしなくてよくね?ネイティブでも出身地でアクセント違うし、正しいアクセントって概念がそもそも薄いかも』
と。おお!なるほど!発音が綺麗でもサムライアクセントでも、それを気にする人は皆無なので、堂々と大きな声で話せばそれで◎!
留学3年目のぼくの体験談
この動画を観て以降、ぼくは大事な時ほどゆっくりと・大きな声で・サムライアクセントの英語を話すことを心がけています。去年、世界のディズニー・テーマパークの設計・開発やアトラクションの企画などをするWalt Disney Imagineeringのグループプロジェクトに参加したとき。憧れのWalt Disney Imagineeringといこともあってかなり興奮していて、結構積極的にディスカッションに参加していたんですね。
でもイマイチ言いたいことが伝わっていない気がする。で、気が付いたんです。『あれ、何か相手が俺の英語聴き取りにくそうにしてるな…』おそらく留学3年目ともあって、知らない間に変にこなれた発音になっていたんだと思います。
こういう時こそ原点回帰のサムライアクセント。発音への意識をゼロにすることで、発言内容に全集中できます。芯を食ったことを言えばみんな耳を傾けてくれるし、ディスカッションにも貢献できます。発音がネイティブだから良い意見、ネイティブだからチームに貢献できるっていうわけではないですよね。
このWalt Disney Imagineeringのプロジェクトの参加メンバー選考の面接の時もそうです。もう絶対に受かりたかったので、気合をこめた全力のサムライアクセントで、何を言うかだけに集中して面接を受けて、合格したんです。
英語を日常的に使うようになって今思うのは、『なんでアクセントの話で揉めてるの?』ということ。日本の英語学習者(もしかしたら英語学習者以外も)ってアクセントに食いつくのが本当に大好きで、例えば英語非ネイティブのスポーツ選手や政治家が英語でスピーチをすると、まずアクセントについて言及します。
『発音悪いなw』とか『この人思ったより良い発音』とか。
どうでも良くない?なんで発言の内容について触れたり考えたりしないんだろう、って嫌味なく純粋に疑問なんです。
英語ってただのコミュニケーションツールで、それ以上でも以下でもないんですよね。ツールを使って何をするかが本質です。アクセントについて揉めて何が生まれるんだっけ?って疑問に感じています。
まとめ
- 自分が英語を話す目的を正しく理解することが英語学習の第一歩
- サムライアクセントでも100%通じる
- リスニングは地道に鍛える
- 誰もアクセントなんか気にしていない
- 発音よりも何を話すかが大切だから人間力を磨こう!
英語を話す目的は綺麗な発音を披露することではない。世界で活躍するために仲間とコラボレーションするためだ。人の意見を聞き、自分の意見を伝えることだ。そんなことを再確認しました。結局何を言うかが大切で、サムライアクセントによって発音への意識をゼロにし、その分発言内容に集中できるから、結果コミュニケーションがうまくいく、ということです。
会話で大切なのは発音ではなく発言です。そして発言とは思考です。
だから発音を気にする暇があるなら、その分リスニングの勉強をしたり、色んな経験をして思考力や人間力を上げる方がよっぽど効果があります。
ハッキリ言って、日本人の英語のアクセントをバカにするのは世界で日本人しかいません。しかもその大半が英語話せない・世界で戦っていない人たちではないでしょうか。自分自身のコンプレックスを乗り越えていないから他人を批判するんだと思います。
もし仮に世界の誰かが、アナタの発言の内容じゃなくて英語のアクセントだけを拾ってバカにしてきたら、そんな視座の低い人は一切相手にしなくて良いです。全力で避けて大丈夫です。
本人のアクセントと思考力にはなんの関連性もありません。サムライアクセントのままで良いから大きな声で堂々と話せばそれで大丈夫!自信を持って、世界で活躍しましょう!
ぼくが今取り組んでいる頑張らない英語勉強法はこちら