ロサンゼルスにあるカリフォルニア芸術大学キャラクターアニメーション科に留学中の髭猿(twitter:studyabroadAtoZ)です。唐突ですが、日本のスケッチブックのコスパ。もうこれは本当にひどい。どうにかなりませんか…。
日本のスケッチブックは、
- 良い紙&ページ数少&価格高め
- 安い紙&ページ多&価格安め
ほぼこれの二択です。オーバースペックか超ロースペックの二択。
もちろん、毎ページ時間をかけてしっかり描きたいという人は、ハイスペックのスケッチブックがぴったりです。でもぼくにとってスケッチブックって色んなことを実験する場所なんです!
これはニューヨークで色んな人から教えてもらったことです。アートスクールの先生も、カフェで出会った学生も、クロッキー会で話したおじいちゃんも同じことを言っていました。
スケッチブックはうまい絵を描く場所ではない。どんどん実験して、新しいことを発見する場所です。プレッシャーを感じず、自分の思うがまま楽しむ場所なんです!
(あわよくば、自分の毎日もスケッチブックのようでありたいと思う。『カッコよく生きる』『丁寧に生きる』のではなく、どんどん実験して、いくつになっても新しいことを発見する毎日でありたい…)
海外の美大を受験する前に大学の担当者からポートフォリオのフィードバックがもらえるポートフォリオデイというイベントでも、僕の前にレビュー受けてた人が『スケッチブックはもっと実験的なことをたくさんしてほしい』と言われていました。ちらっと見たら上手なイラストが描かれてました。
とにかく、ぼくはもうガッシガシ描きたい。使ったこと無い画材を試したい。コラージュもしたい。ブラインドコントアーもしたい!となると、良い紙&ページ数少&価格高めのスケッチブックだとどうしてもためらってしまうんです…。
日本のスケッチブックは帯に短し、襷に長し。
日本で販売しているスケッチブックは、2,000円近くするものが多いですよね。そんな高価な紙で実験なんてできるかと。そんな贅沢なことできるかと。そもそも高価なスケッチブックはページ数が少なすぎると。そう思うんです。
じゃあ安いものを使えばいいのか。それも微妙で、安いスケッチブックは紙が本当にペラッペラなんですよね。これだと水彩がのらなかったり、インクを使うと3ページくらい裏移りしてしまう。価格が安いのは良いけどこれはこれで使いにくいです。そしてハードカバーじゃないので、画板がないと描きづらいとう難点も。
そこそこ良い紙で、100ページくらいあって、ハードカバーで、800円くらい。そんなスペックのスケッチブックが日本にはないんです!本当にない!見つけた人はぜひ教えてください。マジで。
ということでぼくのスケッチブックへのこだわりポイントと、血眼で探した結果辿り着いたおすすめのスケッチブックを紹介します。
スケッチブック選びのポイント
- 1,000円以下
- 100ページ前後
- ペン、インクが裏移りしない
- 水に耐える(絵の具が使える)
- ハードカバー
- 大きすぎず、小さすぎない
- テンションが上がるやつ
どこへでも持って行って、どこでも描くというのが基本スタンスです。大きすぎるものは嵩張るし重いのでやる気をなくしてしまいます。片手で持ったまま長時間描いて苦じゃない重さのものを選びます。小さすぎても描きにくいです。ぼくのベストサイズは8.5×5.5インチ。
また、ハードカバーだと立ったまま描くことができます。外でスケッチすることを考えるとこれは大事なポイントです。
持っているだけでテンションが上がるというのも結構大事なことです。見た目でもフィーリングでも何でも良いのですが、テンションがあがるスケッチブックを使いましょう。モチベが持続します。モレスキンとかテンションあがりますよね。高いけど。高すぎるよ。
それでは、これらを踏まえて選んだぼくのベストオーダーを発表します。
日本が生んだモンスタースケッチブック。ダイソーのスケッチブック
まずはこれ。ダイソーのスケッチブック。十分なサイズ、そこそこ耐久性がある紙、豊富なページ数。このスペックで100円。素晴らしいです。ちなみにぼくはダイソーのスケッチブックでカリフォルニア芸術大学に合格しました。
この商品の良さは一般的にかなり認知されているため、結構売り切れている事が多いです。ぼくは見つけたときにまとめ買いしています。
ハードカバーではないので、ぼくは画板を自作して目玉クリップでとめて使っていますが、使用感最高。欠点は紙が薄いことです。水彩を使えない事もないですが、やはり耐久力は低いのでシワシワになります。
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インクの裏移りもしますが、裏移りのページはコラージュに使用したり、裏移りを生かしたページにするようにしています。
モレスキン
アートシーンにもビジネスシーンにもハマるユーティリティープレイヤー、モレスキン。パリの文房具屋で販売され、ゴッホやピカソといった多くの芸術家に愛された説明不要の良品です。見てくださいこのイケメンなビジュアル。ビジネスパーソンにも愛用者は多いのではないでしょうか。
紙は適度に厚く非常にしっかりしています。ハードカバーなところも良いですし、何よりシンプルにかっこいいですね。テンションあがります。でもぼくには高すぎる!
あまりに高価なスケッチブックは緊張してうまく描けないです。美人すぎる人とはうまく会話できないです。そういうことです。ちなみに最近ではよりアーティストやスケッチに特化したモレスキンも出ていますね。
ぼくも一回だけこれ使ったことあります。紙は厚く、水彩・アクリル・マーカーとどんな画材も使用可能で裏写り一切なし。紙の表面は凹凸なくツルツルとしていますが絵の具の乗りも良く、クオリティは言うまでもなく最高です。めっちゃ良いです。何回でも叫びたいです。めっちゃ良いです!
サイズのラインナップも豊富なので、外でスケッチをしたい人も、家でじっくり描きたい人もぴったり。持ってるだけでテンションぶち上がるし、スケッチ時間が勝手に充実します。懐が温かいブルジョワジーは是非使用してみて下さい。
水彩専用のスケッチブックが気になる方はコチラ:キャンソンの水彩スケッチブックを使ってみた【モンバルキャンソンスケッチブック】
ミドリMDノート
いぶし銀のミドリMDノート。薄そうに見えて実は結構強い紙で、水彩もそれなりに使えます。駅ビルなんかでも普通に売ってるので、入手しやすいというのも長所ですね。
欠点らしい欠点はないです。強いて言えば、ちょっと小さいのと、テンションがあんまり上がらない事かな。優しすぎて刺激がないって言えば伝わりますでしょうか。でも長い目で見れば結局そういう人を選んだほうが幸せになれたりしますよね。
教えたくないくらい最強のスケッチブック
地球を代表する紙メーカーCansonが放つスケッチブック。正直これは教えたくない。それくらい最高のスケッチブックです。今まで紹介したものは、もはや僕のただの趣味です。本命はこれ。これ一択です。
しかし、唯一の問題があり、なんと日本の画材屋では販売されていない…。NYのアートショップ、BLICKでは大量に置いてありますが、現在日本では販売をしておらず、あの世界堂にも置いてありません。在庫切れのことが多いですが、一応Amazonでは販売されています。アメリカで買うよりも少々値が上がりますが、それでもモレスキンなどと比べると安いです。
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左側のスケッチブックです。マーカーでガシガシ描いても大丈夫。
ぼくのスケッチブック選びの全てのポイントを余裕でクリアしているこのスケッチブック。アメリカの美大生活を支え得てくれるぼくの相棒です。ニューヨークで少し買い溜めたので、しばらくはこいつをずっと使っていく予定。
ターレンスのスケッチブック
先日、Amazonをパトロールしていたら良さげなスケッチブックを見つけました。それがこれ。
- 1,000円前後
- ハードカバー
- 13×21cmという丁度いいサイズ感(他のサイズも有り)
- シンプルな無地のデザイン
- 中性紙80枚綴じ
80枚もあってこの価格って本当かよ、と疑うレベル。疑いすぎて凄い気になる。この価格なら実際に買ってみて思ったほどクオリティが高くなくてもがっかりしないし。絵を描く手帳というネーミングもテンション上がる。是非試してみたいです。
ずっと気になっていたターレンスのスケッチブックを
ついにゲットしました!!色は今までスケッチブックでは使ったことのない黄色にしてみました。ハードカバー・中性紙80枚綴じ・13×21 cm。第一印象ですけど、たぶんこれ相当良い。鉛筆、水彩、マーカー、ボールペンなど色んな画材を試してみます! pic.twitter.com/K2b53deW6z— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) March 27, 2021
ついにゲットすることができました!まず最初に思ったことは、持っているだけで凄くテンションが上がる!!
ハードカバーの上にかなりしっかりした作りなのでちゃんと所有欲を満たしてくれる。ビジネスシーンにもハマりそうな面構えです。どのページもしっかりページの際まで開く製本法(なんて言うのか分からない)も非常に加点要素。
ガシガシ使い倒して、レビュー記事も書こうと思います!
スケッチのコツ
ぼくが意識しているスケッチのコツはこちらでまとめてあります!
日本のスケッチ文化が醸成されて、よりよいスケッチブックが購入できる日が来ることを願ってやまない今日この頃です。では!
髭猿って誰?何このブログ?という方はこちらをどうぞ!