日本のスケッチブックのコスパ。
もうこれは本当にひどい。どうにかならんものか。
日本のスケッチブックは、
・良い紙&ページ数少&価格高め
・安い紙&ページ多&価格安め
ほぼこれの二択です。オーバースペックか超ロースペックの二択。
毎ページ時間をかけてしっかり描きたいという人は、ハイスペックのスケッチブックがぴったりです。
しかしアニメーション専攻で海外美大受験をする場合、100ページ前後のスケッチブックを一か月で描き切るようなスピード感が必要です。
ぼくはもうガッシガシ描きたい。だってスケッチブックって、うまい絵を描くのではなくて、色んなことを実験する場なわけですよ、基本的に。
目次
日本のスケッチブックは帯に短し、襷に長し。
カルアーツのポートフォリオデイでも、僕の前にレビュー受けてた人が、『スケッチブックはもっと実験的なことをたくさんしてほしい』と言われていました。ちらっと見たらイラストメインの感じでした。
日本で販売しているスケッチブックは2,000円近くするものが多い・・・。
そんな高価な紙で実験なんてできるかと。そんな贅沢なことできるかと。そもそも高価なスケッチブックはページ数が少なすぎると。そう言いたいわけです。
じゃあ安いものを使えばいいのでしょうか。
安い紙は本当にやっすいです。これだと水彩がのらなかったり、インクを使うと3ページくらい裏移りします。
これはこれで使いにくいです。そしてハードカバーじゃないので、画板がないと描きにくいとう難点も。
そこそこ良い紙で、100ページくらいあって、ハードカバーで、800円くらい。
そんなスペックのスケッチブックが日本にはないんです!本当にない!見つけた人はぜひ教えてください。マジで。
ということでぼくのスケッチブックへのこだわりポイントと、血眼で探した結果辿り着いたおすすめのスケッチブックを紹介します。
髭猿流スケッチブック選びのポイント
・1,000円以下
本音は500円くらい。そんなのない。
・100ページ前後
約100ページを一カ月で描き切るスピード感を個人的な目安にしてました。
・ペン、インクが裏移りしない
・水に耐える
水彩、アクリルを使いたいですから。
・できればハードカバー
ハードカバーだと机がなくても描きやすいです。立ったまま描ける。これ大事。
・大きすぎず、小さすぎない
どこへでも持って行ってどこでも描くというのが基本スタンスです。大きすぎるものは嵩張るし重いのでやる気なくします。片手で持ったまま長時間描いて苦じゃない重さのものを選びます。小さすぎても描きにくいです。ぼくのベストサイズは8.5×5.5インチ。
・テンションが上がるやつ
これ結構大事なことです。見た目でもフィーリングでも何でもいいですが、テンションがあがるスケッチブックを使いましょう。モチベが持続します。モレスキンとかテンションあがりますよね。高いけど。高すぎるよ。
それでは、これらを踏まえて選んだぼくのベストオーダーを発表します。
日本が生んだモンスタースケッチブック。ダイソーのスケッチブック
1番センター、ダイソーのスケッチブック。
これ以上のプロダクトってこの世にあるんでしょうか。
十分なサイズ、そこそこ耐久性がある紙、豊富なページ数。このスペックで100円。
ちなみにぼくは、このスケッチブックでカルアーツに合格しました。
この商品の良さは一般的にかなり認知されているため、結構売り切れている事が多いです。
ぼくは見つけたときにまとめ買いしています。
ハードカバーではないので、ぼくは画板を自作して目玉クリップでとめて使っていますが、使用感最高。
欠点は紙が薄いことです。水彩を使えない事もないですが、やはり耐久力は低いのでシワシワになります。
インクの裏移りもしますが、裏移りのページはコラージュに使用したり、裏移りを生かしたページにするようにしています。
モレスキン
言わずと知れた良品。アートシーンにもビジネスシーンにもハマるユーティリティープレイヤー、モレスキン。
見てくださいこのイケメンなビジュアル。ビジネスマンにも愛用者は多いのではないでしょうか。
紙は適度に厚く非常にしっかりしています。ハードカバーなところも良いですし、何よりシンプルにかっこいいですね。テンションあがります。
でもぼくには高すぎる。
あまりに高価なスケッチブックは緊張してうまく描けないです。美人すぎる女性とはうまく会話できないです。そういうことです。
ちなみに最近ではよりアーティストやスケッチに特化したモレスキンも出ていますね。
ぼくも一回だけこれ使ったことあります。紙は厚く、水彩、アクリル、マーカーとどんな画材も使用可能で裏写り一切なし。紙の表面は凹凸なくツルツルとしています。
紙のクオリティは言うまでもなく最高です。ただサイズがちょっと大きいので、持ち運びには不便。家でじっくり描きたい人か、懐が温かいブルジョワジーは是非使用して下さい。
ミドリMDノート
いぶし銀の控え捕手、ミドリMDノート。
駅ビルなんかでも普通に売ってるので、入手しやすいというのも長所ですね。
薄そうに見えて実は結構強い紙で、水彩もそれなりに使えます。
欠点らしい欠点はないです。
強いて言えば、ちょっと小さいのと、テンションがあんまり上がらない事かな。
彼良い人なんだけど、なんか刺激が足りないの。そんな感じ。
大本命、エースで四番。教えたくないくらい最強のスケッチブック
地球を代表する紙メーカーCansonが放つスケッチブック。
正直これは教えたくない。それくらい最高のスケッチブックです。
今まで紹介したものは、もはや僕のただの趣味です。本命はこれ。これ一択です。
しかし、唯一の問題があり、なんと日本で販売されていない・・・。
NYのアートショップ、BLICKでは大量に置いてありますが、現在日本では販売をしておらず、あの世界堂にも置いてありません。一応BLICKのオンラインストアで購入できるみたい。
ぼくのスケッチブック選びの全てのポイントを余裕でクリアしている商品は、実はこれだけです。
これもカルアーツに合格したときに提出した、ぼくの相棒です。
ニューヨークで少し買い溜めたので、しばらくはこいつをずっと使っていく予定。
おまけ:リング形式はダメなのか?
見開きで描けないのでリング形式のスケッチブックはやめた方がいいという噂が巷であります。
結論、関係ないです。
ぼくはカルアーツを受験した際に3冊のスケッチブックを提出しましたが、内2冊はリングです。上記で紹介したダイソーのやつ。
リングでも見開きで描けない事もないです。確かに美しくはないけど。
そのページが気に入っているならスキャンして、フォトショやクリスタでリング部分を修正して、ポートフォリオに入れればいいと思います。
ぼくもそうしました。
日本のスケッチ文化が醸成されて、よりよいスケッチブックが購入できる日が来ることを願ってやまない今日この頃です。