カリフォルニア芸術大学に留学中に髭猿です。クロッキー上達に向けて、クロッキー会に通ったり、模写する人は多いですよね。
ぼくもそうです。定期的にクロッキーをするのはもちろん、しょっちゅう模写をしています。
ちなみに皆さんは誰の作品を模写していますか?
ぼくのおすすめは長沢節とBil Donovan。普段からクロッキーをする方でも意外と知らないこの二人、実はファッションイラストレーターなんです。
ということで今回は、ぼくがファッションイラストレーターの絵を模写する理由をご紹介します。
着衣クロッキーが苦手な人はファッションイラストレーターに学ぶべし
『衣装に興味がない!着衣クロッキーは地獄だ!』という人は、ぜひファッションイラストレーターのクロッキーをちょっと見てもらいたい。
描くのに苦手意識があるものって、興味がなかったり魅力に気が付いてないだけの場合もあります。魅力に気が付いていないからからよく見てない。だから描けない。
その対象物の面白さに気が付けば、自ずと観察力が増して描けるようになる場合も少なくありません。
着衣クロッキーが苦手な人、服がうまく描けなくて悩んでいる人は、服を魅力的に描くファッションイラストレーターの絵を見たら目覚めるかもしれません。
うわこれかっけえ!(美しい!でも良いんだけど。とにかく自分が抱いた強い感情)って思えたらその時点で結構勝ちです。あとはそこに向かえば良いだけだから。
長沢節
ということで、ぼくのイチオシのファッションイラストレーターを紹介します。
絵の無断転載は出来ないので、何はともあれ、お二方の絵をググってもらいたいんですが。皆さんチェック済みのていで話進めますね。
長沢節のクロッキーはため息でるくらいに美しい。全ての線を愛でたい。
特に着物のクロッキーは、過去見た着物クロッキーの中でいまだに一番好きです。緩急自在で線の表情が豊か。
どうやったらこんな線引けるんだろうってずっと考えてるけど、もしかしたらご本人には最初から現実がこう見えてたのかなと最近思うようになってきました。
Bil Donovan
Bil Donovanも好きです。色の使い方・余白の使い方が凄く綺麗でスタイリッシュ。
水彩でクロッキーする人は一度見ても損はないと思います。
ファッションイラストレーターだけあって衣装の表現が至高。着衣クロッキーが苦手な人におすすめ。
こんな世界があるのかって興奮します。ぼくはしました。
ぼくも着衣クロッキーが苦手だった
実は、ぼく自身が元々ずーっと、着衣クロッキーが苦手だったんです。とにかく服が描けない。というより描きたくない。美大に合格した後も苦しみました。
なんで服が描けないんだろう?と考えていたある日、気が付いたんです。服が描けないのは、服に興味がないからだと。
美術解剖学を学んで人体の魅力の虜になったのと引き換えに、服への興味関心がゼロになってしまったんです。筋肉が描きたい、服は邪魔だ、と思っていた。
ぼくの人物クロッキーが著しく成長したのは人体や筋肉の魅力に気が付いてから。だったら、服の魅力を知れば着衣クロッキーも描けるようになるはずだ。どうすれば服の魅力に気がつけるだろう。
そしてひらめいたのが、ファッションイラストレーターのクロッキーでした。
そこから先は上述の通り、長沢節の着物のクロッキーを見て、全てが変わった。
ファッションイラストレーターの絵を漁るようになり、『それならBil Donovanはおすすめだよ!』と元ファッションデザイナーのクラスメートが教えてくれました。
Bil Donovanの絵を見て、着衣クロッキーならではの画材の使い方を知って、さらにのめり込んだ。そのまま没頭して、気が付いたらファッションイラストレーションの仕事もしていました。
長沢節とBil Donovanの絵に出会っていなかったら、実現していなかったと思います。
お二方ともググればクロッキーがたくさん出てきます。衣服が苦手な方、ぜひ模写してみてください!
ぼくも引き続き精進していきます。では!