
アメリカの美大の入試は日本の大学入試のように実技試験の一発勝負で合否が決まるというわけではなく、作品・エッセイ・英語のスコアなど、複数の要素を多角的にジャッジされて合否が決まります。GPAもそのひとつで、非常に大切です。とは言いつつも、あまりGPAに馴染みのない人もいるかもしれません。
ということで今回は、
- GPAってなんだっけ?
- アメリカの大学受験でなぜ日本のGPAが大切なの?
- 自分のGPAってどう計算するの?
ということを解説していきます。それではどうぞ!
合否を左右するGPA
海外の美大入試では学科試験はほとんど行われません。ほとんどの大学が提出物のみの入学試験になっています。ぼくが受けた3つのアメリカの美大は、どれも提出物だけの試験でした。これが日本の美大と海外特にアメリカの美大の受験の大きな差で、実技試験・学科試験が無い。海外の美術大学は、ほとんどが提出物のみで受験ができてしまうのです。
では、学科はどのようにして判断するのか?
そこで出てくるのがOfficial Transcript (GPA)です。
GPAとは学校の各科目の成績から特定の計算法により算出された成績評価値のこと。これが主に学力を測る指標になります。
GPAの重要性
学科試験がないということは、その分GPAを重視しているということを意味します。つまり、アメリカの美大の場合だと、GPAが3.0以下の人は足切りされる可能性があります。さらにGPAは奨学金の有無、そしてその金額にも影響します。なので、GPAは海外の美大受験において非常に重要なんです。
GPAの算出方法と提出方法
多くの場合、日本は5段階評価ですが、アメリカは4段階評価となります。そもそもアメリカの大学と日本の大学・高校の成績算出方法が異なる上に、GPAの計算式はアメリカの大学毎でも異なります。しかしWESという機関を使うことで、自分の日本のGPAを、概算としてアメリカのGPAに換算することが可能です。
GPAの換算方法は以下の通りです。
- 自分の高校または大学の英文の成績証明書を入手する
- WES (World Education Service) に提出する
自分の英文成績表を入手するには、自分が卒業した高校、または大学のウェブサイトへアクセスし、成績表の発行手続きをします。英語表記にしてもらうのを忘れないように気を付けましょう。
英語表記の成績表は、自分が行きたい大学が指定している機関に提出して、その機関から大学にオフィシャルの成績表として提出することになります。そしてアメリカでよく使われている機関がWES (World Education Service)です。GPAの変換には約150ドル掛かりますが、一度出せば、WESから受験する複数の大学に直接オフィシャルな成績表(GPA)として送付が可能になります。なので、概算を知るだけでなく、実際に出願する場合にもWESに送る必要があるので、早めに済ませて自分のGPAを把握しておくと便利かもしれません。
大学によってはWESを通さずに厳封の成績証明書を自分で送る場合もあります。(ヨーロッパのはこの場合が多いです。)その場合でも一応自分のGPAの概算を把握しておくためにWESで変換しておくと安心かもしれません。

