これもお気に入り✨ pic.twitter.com/gNMZxLdTQW
— たてなか じゅんぺい (@junpei58) 2018年8月11日
1971年5月8日岡山県生まれ。アニメーションの専門学校を経て、1993年よりディズニーアニメーションジャパンにてアニメーターとしての仕事をはじめる。
以後、アンサースタジオを経て現在フリー。TVアニメ「メジャー」、「ダイヤのA」、「ユーリ!!! on ICE」といった超有名作品に携わり、アクション作画監督として大活躍中。
アニメーターの立中順平さんのプロフィールです。言わずもがな、超絶神作画の立中さんです!
なぜ冒頭から立中さんのプロフィールを掲載させて頂いたかというと、実は先日、幸運にも立中順平さんご本人とお会いする機会を頂いたからなのです!!
作画やスケッチ、イラストを見せて頂き、立中さんご本人から解説をして頂くという、それはもう夢のような時間でございました。
本当に丁寧にお話頂き、勉強になることだらけでして。もうこれはぼく一人で抱えていては勿体ない、というか申し訳ないので、そのとき勉強させて頂いたことをシェアさせて頂こうと思います(立中さんからも許可を頂きました)。
それではどうぞ!
ラインオブアクションを描くか描かないか問題
クロッキーのときは描かない。でもアニメーションのときは描く→それが動いていく“芯”になるから。
ドローイング系の書籍で様々なラインオブアクション論が展開されていますが、ラインオブアクションをただ描けば良いという訳ではない。
何故描く必要があるかを理解していることがまず大切だと教わりました。
今作画している絵と、その前後の動きの関係性を捉えるための目印として重要な役割があったんですね。立中さんとお話して、ようやくラインオブアクションの役割について腹落ちしました!
動きに興味を持つ
絵を描いていない時間の過ごし方が大切。アニメーションを作るなら、体幹の動かし方、骨盤の使い方に常に興味を持っていることが大切。
立中さんはスポーツの動きを分析するのが大好きだそうで、見て考えて発見して、それを実験的に紙に起こしてみる作業をよくされるそうです。
お話を聞いていて、動きのメカニズムへの探求心の強さに圧倒されました。友人とキャッチボールをしていても、どうしたら投球動作をアニメーションに起こせるか考えながら観察してしまうそうです。
動きを見る、自分でも同じように動いてみる。そして紙に向かう。躓いたらもう一度動きを分析する。その繰り返しこそが、素晴らしいアニメーションを生み出す何よりの秘密なのだと感じました。
iPadでアニメーションを作って遊ぶならRough animaterがオススメ
ブラシに少々クセがあるため、大きめの画面サイズで描くとやりやすいかも。ラフで作画していても頭の軌道を意識することが大切。
上述の通り、暇さえあれば動きとアニメーションの研究をされている立中さんですが、その際使用しているツールはiPad Pro、 Apple Pencile、そしてRough animaterを使用されているそうです。
早速ぼくもダウンロードしてみました!UIがシンプルで直感的に使用できるのでとても分かりやすい。
立中さんのように、スポーツ観戦しながらこれを使って動きとアニメーションを研究したら、めちゃくちゃ良い勉強になりそうです!
気になる方はお試しあれ!
アニメーションを作る上で心がけていること
引っ張り合い、もしくはエネルギーのぶつかり合いを確実に捉えることが大切。それが動きのタメを生み出し、説得力につながる。
@studyabroadAtoZ こちらで〜! pic.twitter.com/EZasaVO7k4
— たてなか じゅんぺい (@junpei58) 2018年8月18日
野球の投球動作で言えば、投げる前に振りかぶった腕は身体の後ろ方向へ、体幹は前方向へ行こうとしている瞬間(上半身と下半身のズレ)をしっかり描くことが大切だそうです。
ボール回し〜(2、3年前の) pic.twitter.com/Q2NDDBHBM3
— たてなか じゅんぺい (@junpei58) 2018年8月17日
メカニズムは大体イメージあったので、あとはリズムに当てていく感じでした。短い尺に中で上半身と下半身の動きのズレを出すのが難しかった気がします。9、10、11あたりで体幹は左に進んで腕は右に進ませています。
体幹の回転と腕の振りのタイミングのズレを意識して、原画の時点で引張り合いやエネルギーのぶつかり合いを1枚ではなく2枚で作画すると、ミスが少なくなると教えて頂きました。
クロッキーでも無意識のうちに動きの方向を考えて描いている
動きの方向を考えるとそこにストーリーが生まれ、絵が生き生きとし始める。
スケッチも見せて頂きましたが、本当に今にも動き出しそうなんです。どうしてこんな線が引けるのでしょうか。
スケッチやクロッキーについて色々お聞きしたのですが、クロッキーでモデルさんが止まっていたとしても、動きの方向を考えてスケッチをすると動きが出るしポーズに意味が出るのでは、というお話しになりました。
確かにクロッキー会ではモデルさんが静止しているため、あまり動きの方向を考えることがなかったかもしれない。
モデルさんがポーズを取る前からしっかり観察することで、動きの方向がつかめるかも!と思いました。
やはりアニメーターが描くクイックスケッチとそうじゃない人が描く絵は、絵のノビや靭やかさが全然違うなと感じました。もっとドローイングの研究がしたい。
意見の表明が大事!絵で意見を伝える
絵の簡単な評価の方法として、似てる似てないがあるけど、意見が表明されているかどうかもとても大切。
やはり最前線で活躍されている方ほど、意見が大切とおっしゃるような気がします。
基礎力を強化しつつ、今後より意識していかなかればならない部分だと再認識しました。
まとめ
アニメーションに関して1コマずつ動きを解説して下さり、想像出来ない程の知恵と工夫が凝縮されてやっと美しい一連の動きが生まれるのだと分かりました。
動きを分析してから再現するまでの過程は、まるで研究者の様でした。お話していて、もう興奮と感動がせわしなく押し寄せてきて、正気を保つのが難しかったです。
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— たてなか じゅんぺい (@junpei58) 2018年8月19日
こちらは記事冒頭にご紹介したアニメーションにオニオンスキンが見えるようにして頂いたものです。スローイン、スローアウトや身体の軌道がより分かりやすいですよね!
力強く回転した後にフワッと浮くこのメリハリはいかに生まれるのか、ドライアイになるまで何度も見て研究せねば。
最後に、
若い人は失敗する権利がある。だからどんどん挑戦するべき。
というお言葉を頂きました。
しっかりと胸に刻んで2年目の留学も挑戦しまくりたいと思います!!立中さんとお話をさせて頂いて、当たり前のことを誰よりも徹底してこなす大切さを教わりました。
プロとしての強さってそういうところから生まれるのかもしれない。立中さん、本当に親身にお話頂きありがとうございました!
立中さんのイラストやアニメーションはツイッター(@junpei58 )からも見られるので、皆さんも是非チェックしてみて下さい!!