元会社員の俺がカルアーツで勉強してる話

コロナでアメリカ美大留学生の留学生活はどう変わった?

投稿日:2020年6月8日 更新日:

アメリカはLAにあるカリフォルニア芸術大学(通称カルアーツ)で留学中の髭猿です。コロナウイルスの影響によりぼくの留学先のカルアーツも閉鎖されました。

 

  • 3月11日~3月22日:学校閉鎖(寮生のためにカフェテリアのみオープン)
  • 3月23日~4月12日:オンライン授業期間
  • 4月13日~ 通常授業再開予定だったものの…

 

その後やはり通常授業を再開することはできず、残りの学期全ての授業がオンラインに。それから間もなくにカリフォルニア州から外出禁止令が発令。

 

 

留学生という社会的に激弱い立場でこの状況を迎えることになってしまいました。ということでそのときあったことや気がついたことをシェアしようと思います。それではどうぞ!







オンライン授業が開始

授業は何かと話題が尽きないZoomで行われました。起きた瞬間に身支度せず授業に出られるのが楽です。レコーディングされてるので英語が分からなかった箇所を後から見直せるし、想像していたよりはスムーズに授業が展開されました。

 

  • 起床時間:適当
  • パジャマのまま起きてから2秒でZoomで授業に参加
  • 宿題はちゃんとやる
  • Film制作はCintiqないから無理
  • 就寝時間:適当

 

オンライン授業しかないとふとした瞬間に、果たしてこれは留学なのか、という疑問が湧きます。あと起きてる時間の95%以上を自室のデスクで過ごしたことで手が届く範囲に必要な画材と娯楽が配置され、まったく立ち上がらない生活となってしまいました。

 

オンライン授業のメリット
  • 通学しなくて良い→時間を有効に使える
  • ゴロ寝しながらでも授業を受けられる
  • どこからでも授業に参加できる→広義では学習機会の増加
  • 授業の録画を後から見直せる

 

 

オンライン授業のデメリット
  • 油絵やダンスなど教えてもらいにくいこともある
  • 大学の施設が使えない
  • 友達に会えない
  • 対面授業と同じ価格だとどうしても物足りなさを感じる

 

 

 

大学の対応に疑問の声が続出

設備費の一部が早々に学生に返金される大学もある中で、しばらく何の対応もなかったカルアーツにぼくたち学生の不満は爆発。

 

 

学校が閉鎖されたことによる機会の喪失に関して、大学長と生徒の話し合いがリモートで毎週のように行われました。結果としては下記の通り数種類の助成金や奨学金が設立されました。

 

 

各種事務処理

オンライン授業への移行や急遽の帰国に伴い、様々な事務処理が発生。皆で情報共有しながら淡々とこなしていきました。

 

 

オンライン授業への移行に伴う各種ソフトウェアの利用申請

大学が各ソフトウェアの無料アカウント(期限付き)を作ってくれたので、自分の状況に合わせて必要なものを利用申請して授業や宿題に対応します。すべて個別に申請が必要なのでかなり面倒くさかった。

 

 

新設された奨学金の申請

不測の事態に伴う出費をカバーするために、大学が少額ながらも奨学金を新設してくれました。食費や帰国に伴う渡航費、PC等を含む作業に必要な道具及び画材の購入にに充てることができます。

 

 

帰国する人はI-20の申請

学期中ではあるけども母国へ帰国する人が続出。再度アメリカに戻ってくる際はI-20が必須なので、これも帰国前にオンライン申請。

 

 

英語力の無さが露呈

生活がオンラインに移行し英語のコミュニケーションがテキストベースになったことで、自分のライティング能力が中学生レベルであることにようやく気が付きました。オフラインでの英語力とオンラインでの英語力が果てしないほど乖離している。

 

 

学校閉鎖期間中に上述の諸々の事務処理が発生し、ひとつのタスクを終えるのにも担当の人と何度もやり取りが必要だったりしてめちゃくちゃ面倒くさかったのですが、これは親友の助けなくして完了することはマジで不可能でした。

 

 

普段の思考スピードと行動力に英語のライティング能力が全くついてこず、自分のトロさともどかしさにとにかくイライラしました。美大に留学しているもんでエッセイなどの課題がほぼなく、今まで知らんぷりをしていた。自分のライティング能力がポンコツだという事実を。

 

 

街の様子も激変

カリフォルニア州から外出禁止令が出て買い占めが激化。ぼくが徒歩圏内で行けるスーパーの食料品は軒並み買い占められた上にぼくは車を持っていないので他に買い物に行けず、自宅付近はただの陸の孤島と化しました。

 

 

ソーシャル・ディスタンスを確保しないといけない状況では友人に運転をお願いするのもはばかられるし、Amazonで購入しようにも価格が高騰している。普段はUberやLiftがあるから大丈夫なんですけど、有事の際を考えるとやっぱり自分の車がないと困ると思いました。

 

 

これまた親友が大量に支援物資をくれたので難を逃れましたが、ぼくがいるLAのバレンシアという田舎町では本当に車が必要だなと再確認。自分のことだけでなく誰かを助けることもできるかもしれないし、車手に入れようと本気で思った。

 

 

物流が元に戻るまで食べ物は1ヶ月、トイレットペーパーは2ヶ月半かかりました。食べ物がまともに買えない状態が異国の地で1ヶ月も続くのはさすがにかなり怖かった。色んな人に今までにないほど助けてもらいまくって、なんとか自宅待機する態勢を整えることができました。友達の存在が大きすぎて感謝しきれません。これからは何かあったとき自分が助けることができるように精進しようと思います。

 

 

まとめ

世の中の不確実性や変化の激しさが高まっていることは周知の事実だけど、それでもこんなにも簡単に生活が激変してしまうとは本当に驚きました。同時に、誰にも予測ができない社会を生きていく上で、どうやったら自分の人生の納得感を上げることができるのかということを考え続けた数ヶ月でした。

 

人生の納得感っていうのは、何かあったときに他人のせいではなく自分のせいだと思えるようにしたいとうことです。そのために日々できることは何だろうかっていう。

 

その他にぼんやりと考えたことは、最適化よりも柔軟性を高めることが大切だということ。一晩で全てが簡単に変わってしまう日常に合わせて自分の生活を最適化しても、環境そのものが変わってしまえば時代遅れになるだけだなと。最適化に徹したら、意外と人生困るんじゃないだろうかと。

 

これからの時代に己のパフォーマンスを上げるには、自分のルールや拘りをどんどんゆるくしていって、どっちでも良いようなことを増やすのが大切なんじゃないかなっていう。これはちょっと実験していこうと思います。では!

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