今日があたなの絵を描く最初の日なら。どうしても伝えたいことがあります。
それは、自分の現在地がどこであれ常に一段だけ上のレベルを目指してほしい、ということ。
希望を持ち続けるため・絶望しないためには、一歩をとにかく細かく・シンプルに・分かりやすくすることが鍵で、いわゆる“成長がはやい人”というのはその作業が上手な人です。
ぼくのアニメーションの先生は、自分の現在地がどこであれ常に一段だけ上のレベルを目指して作業しろと言っていました。
あまりに高いレベルを目指すとうまくいかないだけでなく、できない自分に失望してしまうと。できないことは問題じゃないけど失望は問題。楽しくない描きたくないという気持ちの入り口だから。
これは、実は何事にも言えることです。絵も英語も、とにかく一歩進むこと。そしてそれを繰り返していくことが大切だと思っています。
一歩で富士山を登れる人はいないけど、一歩ずつなら子供でも登れます。
難しすぎることはやならい
いきなり高すぎるレベルを目指す→自分に失望する→楽しくなくなるという地獄サイクルってありますよね。これって本当に気を付けなければならない。やる気に満ち溢れている人や、自分に厳しい人ほど陥りやすい落とし穴だからです。
初めから難しすぎることをやるな、という先生の言葉を最初の授業で聞いて、救われたことを今でも覚えています。
そして『これは初心者への心得ではなく、全アーティストへの心得だ』とも先生は仰っていました。上手な人ほど遠くではなく一段上を目指す感覚が強いと。
『ああ、そっか。頑張るって高すぎるレベルを目指すってことじゃないんだ。ひとつ上の階段を絶えず登れば良いんだ。高すぎるようなレベルもそこから地続きに繋がっているんだ』ということを感じました。
一念発起して今年は絵をやるぞ!という方にこそ、是非の先生の言葉を届けたいです。
一歩で富士山を登るのなんて不可能ですよね。でも一歩ずつなら富士山に登ることができる。万物に共通する金言を受け取ったと思います。
1点を100回積み上げれば100点を獲れる
1回で正解を出せなきゃダメ!って思い込みがちじゃないですか、絵でも何でも。僕もそう思ってた。
でも時間かけてやれば良いしできるまでやれば良いし調べれば良いし間違えていいし間違えたら直せば良い。
高速でやってるから1回で100点を叩き出しているように見えるけど、尊敬するアーティストたちも1点を100回積み上げているように思います。
皆が疎かにしがちな資料を集める作業も大きな加点要素だし、1点を100回で100点!の心意気を忘れぬようにしたい。先生が仰っていた常に1段だけ上のレベルを目指せ!と通じます。
絵がうまく描けない日の自分も認めてあげる
そしてもうひとつ。
絵がうまく描けない日の自分も認めてあげて下さい。絵の出来と人生の幸・不幸や自分の気分を分けて考えて下さい。これも大切なことです。
情熱と向上心を持ちつつも、今の自分を常に肯定するというか。
矛盾しているような感覚だけど、絵の鍛錬に終わりがない以上、絶対に持ち合わせたいバランス感覚です。
まとめ
まずは始めること。上手くなる方法論を調べる前にとりあえず始めちゃった方が良い。方法論は走りながら模索していく。
そして始めたら辞めないこと。歩みの速度は全く気にしなくて良い。続ければ続けるほど可能性の扉が開いて、続ける理由が増えていきます。
ぼくもVRで遊び続けていたらアメリカのアニメーションMVの仕事に繋がったり、初めて買ったiPadで絵を描き続けていたら半年後にフリーランスのイラストレーターになってたりしました。
続けていれば、自分の想像を超えるような扉が開きます。
今日絵を始めた人も、自分のペースで楽しみながら、一歩ずつ続けていって欲しいなと思います。