元会社員の俺がカルアーツで勉強してる話

やっと好きを仕事にできた今、自分だったらどんなメッセージを発するだろう。

投稿日:2021年2月1日 更新日:

画像

ぼくが会社を辞め、美大受験のためにせっせと絵を描いていた2015年頃、飲み会に誘ってくれた友人がよく言ったものだ。

 

『いつでも良いよね?どうせ暇っしょ?』

 

好きな事で忙しいのは暇に値するのだろうか?と思う。

 

ぼくからしてみれば、やりたいことが分からずとりあえずの惰性で仕事を続けている方がよっぽど暇だなと思うんだけど(別にそれが悪いとは言ってない)、働いているというのは何においても免罪符みたいなところがあって、人の感覚を微妙に狂わせる。まあでも確かに働いているのは立派なのかもしれない。

 

別に退職してからに限ったことではない。今日は漫画読みたいからとか、今日はゲームしたいからとか、そういう理由で誘い事を断ると暇人扱いされる節があるよなと。

 

漫画とかゲームとかいつでもできるじゃん、と。まあそうなんだけど。

 

働いているけどモチベゼロの人間と、好きな事だけやってる無職。どっちが良いかと聞かれれば、働いている方が良いのだろうか。実際はよく分からん。

 

それから3年くらい経って、好きを仕事に!っていうメッセージが色んな人から強く発信されるようになった。

 

これはこれで気持ちよく同意しきれない部分がある。好きを仕事に!って変な誤解を与えていそうじゃないか。好きな事が仕事になったら良いだろうけど、そうならなくても別に良いんじゃないか。

 

好きなことをやらないといけない、好きなことが分からないことは良くないという焦燥感が今の若者の中にはあるらしい。コンプレックスを利用した商売の被害者になって欲しくないなと願う。

 

少しずつだけどぼくも好きを仕事にできるようになった。ニューヨークと台湾と日本で展開するファッションブランドの2020年春夏モデルのメインとなる柄のデザインを担当させて頂いたり、アメリカのアニメーションMVを作成するプロジェクトに参加したり。絵本の商業出版が決まったり。

 

絵でお金をもらえるようになった。

 

さて、やっと好きを仕事にできた今、自分だったらどんなメッセージを発するだろう。と問う。

 

あんまり無責任なことは言えないけれど、絵を描くからといってそれで食べていかないといけないわけじゃない。好きな事を仕事にすることよりも、好きな事が好きな事のままであること、好きな事を楽しむ力を守り続けることの方が大切だと思うのだ。

 

『いつでも良いよね?どうせ暇っしょ?』という言葉に特に反論したことは一度も無い。暇人扱いしやがって、今にみてろよ。と心の中で鼻息荒くしたことも無い。

 

でもたぶん、それが他人からは暇に見えようとも、これからも好きな事で忙しく生きると思う。それが好きなことを守ることに繋がるからだ。

 

ネットフリックス観たいとか、

好きなアーティストのコンサート映像を観たいとか、

木を拾いに行きたいとか、

絵を描きたいとか。

 

皆もそんな用事を大切にしたら良いと思う。

 

 

関連記事:好きと嫌いで指輪を作れば。この世には無作為を装った作為が蔓延している。

-元会社員の俺がカルアーツで勉強してる話
-,

執筆者: