デジタルで絵を描いてみたいけど、デジタルツールのことが一切分からない。
という方のために、本当に基本中の基本のことをまとめました!
混乱してしまうような小難しい話はごっそり削ぎ落として、もう本当に簡単なことだけ!
板タブと液タブの違いから分からないという方は目を通してもらえると良いと思います。それではどうぞ!
デジタルで絵を描くのに必要なもの
まずデジタルで絵を描くという行為について。これは基本的にPCなどのデジタルデバイスを使って絵を描くことを意味します。これに対し、紙や鉛筆などの画材を使用して絵を描くことはアナログと呼びます。
デジタルで絵を描くには、大きく分けて3つの方法があります。
・PC+板タブ
・PC+液タブ
・iPad
デジタルで絵を描くために必要なものは、PCを使うかiPadを使うかで異なります。
- PC
- タブレット(板タブor液タブ)
- ソフトウェア(CLIP STUDIO PAINT PROなど)
※デジタル未経験の方はソフトウェアのことを忘れがちですが、PCを使う場合はPCとタブレットだけでは絵は描けないので要注意です!
- iPad or iPad Pro
- Apple Pencil
- アプリ
デジタルで絵を描くには、まずは大きくこの2パターンがあるということをおさえましょう!
板タブって何?
界隈でよく聞く、板タブ・液タブという単語。デバイスのことっぽいけど、イマイチ違いがわからんという方も多いはず。それぞれ説明していきます。
板タブ=板タブレットの略。ペンタブと呼ばれることも。
板タブレットは、専用の板(タブレット)の上で専用のペンを動かすことで、PCなどの画面上のマウスカーソルを動かすことができる入力装置です。
マウスがペン型になったとイメージすると最初は分かりやすいかもしれません。
板タブだけでは絵を描くことはできません。必ずPCに接続して使用します。
こちらの動画を観てもらえるとイメージが湧くと思います。ペンを板のようなタブレットの上で動かしています。このように入力装置は手元、実際に絵が描かれるのは画面になります。
板タブのメリットとデメリット
板タブは液タブより低価格のため、導入しやすいのが大きなメリットです。また、板タブは液タブと比較して軽いので、携帯性が高いのも特徴と言えるかも。持ち歩く人少ないと思うけど。
上図の通り、板タブは絵を描く場所と実際に絵が表示される画面が分離されるのも特徴です。日常生活の中にはない感覚なので、少し慣れが必要です。
ただ、画面と分離しているからこそ、PCはテーブルの上、板タブは膝の上というスタイルで絵が描けます。狭いスペースでも絵が描けるので、カフェとかに持ち込んでスケッチする際に実は役立つことが結構あります。
また画面と距離が取れるので、キャンバスに絵の具で絵を描く感覚に似ているものがあります。それ故、好んで板タブを使用するプロのアーティストも多いです。しかし、細かい線画をメインに描きたい人はかなり使いにくいと思います。
まとめると、板ダブはペインティングには適しているけど、ドローイングには不向き、ということですね。
おすすめの板タブ
デジタルイラストの導入としてはWacomのIntuosシリーズがおすすめです。コスパがとても良く、ぼくも一番最初はWacomのIntuosのミディアムサイズを購入し、実は今でもペインティングの練習をするときに使用しています。
上述の通り、板タブを使うと画面と距離が取れるので、キャンバスに筆でペインティングしてるのと近い感覚で絵が描けるんです。ペインティングをメインにデジタルイラストを描きたい方は是非チェックしてみてください。
液タブって何?
液タブ=液晶タブレットの略。液晶ペンタブレットと呼ばれることも。
板タブと同様の入力装置です。大きく異なる点は手元に液晶パネルが付いているということ。この液晶パネルに絵が表示されるので、アナログと同じように直接手元の画面に描き込んで作業することができます。
基本的には液タブもPCに接続して使用します。液タブにはOSが搭載されているPC不要モデルもありますが、導入コストが高いので本記事ではいったん無視しますね。
実際に液タブで絵を描いている動画です。このように液晶パネルに専用のペンを使って直接絵を描き込んでいくことができます。
液タブのメリットとデメリット
絵を描く場所と絵が表示される場所が同じポジションなので、よりアナログに近い感覚で描けます。直感的に扱えるため、細かい描写も非常にやりやすいです。
ですが、板タブより高価格帯になります。エントリーモデルと呼べるものがあまりないのがデメリットです。液晶パネルが付いているため本体が重たく、あまり気軽に持ち運べるような代物ではありません。
おすすめの液タブ
液タブと言えば日本メーカーのWacomが世界的なシェアを得ていますが、ここ2年くらいで中国メーカーが参入してきて、かなり廉価な液タブが登場しました。
その代表格がXP-Pen。当初はその性能に懐疑的なユーザーが多かった。実際ぼくも疑っていました。だってあまりに安すぎるから。
22インチの液タブでなんと¥5万円を切ってるんですよ。同じサイズのWacom製品なら10万はくだらないです。
そんな中、コロナ禍で大学のラボが使用不可に。自分用の液タブが急ぎで必要となりました。
せっかくなのでXP-Penどんなもんじゃいと思って、自宅用に急遽XP-PenのArtist 22R Proを購入しました。
XP-Penを使用して9ヶ月経った感想はコチラ。
3万円台で買えるおすすめ液タブ3選をまとめました。
iPadは?(iPad Pro/iPad第6世代以降)
察しが良い方はお気付きかもしれないけど、iPadは機能的にはPCが不要なタイプの液タブです。液晶が付いていてそこに直接描き込めて、かつ本体にOSが乗っていますから。
ただしiOSであることと、Apple Pencilという最強ツールが使えることから、液タブとは別枠で考える人が多いです。
iPadのメリットは何と言ってもその携帯性の高さとApple Pencilの機能。
筆圧を感知する機能が非常に優れているので、アナログと同様に繊細なタッチから豪快なものまで非常に多彩な線が引けるし、ペン先を寝かせて描くと線が太くなるという傾き感知もずば抜けている。
iPadデメリットは、現環境ではフルスペックのPhotoshopに未対応だということと、画面の大きさが限られていること。
ただし、一部の人達からはPhotoshopより人気のCLIP STUDIO PAINTには対応しているし、iPadユーザーに大人気のProcreateというイラストアプリもあります。
PCを持っていない人&そこまで大きい描画サイズがいらない人にはかなり魅力的な選択肢だと思います!
iPadとiPad Pro、どっちが良い?
既に様々なメディアやブログでiPad(第6世代以降)とiPad Proの比較記事が書かれていますが、当然スペックは圧倒的にiPad Proの方が高いです。
でもちゃんと考えるべきはiPadを使って自分が何をしたいか。
自分の目的でベストな選択は変わりますよね。
ちなみにぼくはiPad ProではなくiPad第6世代を購入しました。
iPad第6世代の購入から2年半が経過した今でも、毎日バリバリ使用しています!iPadとiPad Proに関してぼくが今感じていることは、2年半経った今でもこの記事に書いてあること全く変わっていません。
記事内で詳しくまとめていますが、
- 外に持ち歩いてスケッチブック代わりとして使いたい
- カフェなど家以外の場所でも作業したい
など、持ち歩きが前提の方はiPadの方が良いと思います。
現行の最新モデルの中から選ぶならiPad第8世代がおすすめです。第7世代の在庫があって安く入手できるならそっちにしますが!
どれがおすすめ?
『どれがおすすめかは分からん。でもどれで描いたら楽しいか聞かれれば、iPadがやっぱり楽しい』といつもぼくは答えています。
だって外に出られるから!外でデジタルイラストが描けるって革命ですよ。
iPad(無印)で全然いける。 pic.twitter.com/PhAHOe8EHQ
— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) May 23, 2019
スケッチブックと一緒にあらゆる画材を丸ごと持ち運ぶ感覚で気軽に絵が描けるiPadのアクセスの良さは、正直他の追随を許さない。楽しいよ、楽しすぎるよ。もちろん本腰を入れてじっくり描くこともできます。
イラストアプリのProcreateにはタイムラプス動画機能が最初から付いていて、超手軽に自分の作品のメイキング映像が作れるのも楽しいし。
ただぼくはPhotoshopが大好きなので、それが非対応なのは非常にネックだし、家でゆっくり描くのが好きな人は板タブや液タブのが楽しいかもしれないですね。
まとめ
元々は価格優位の板タブか描きやすさの液タブかという構図でしたが、ここにiPadとApple pencilが登場したことで、より使用者の用途に合った選択ができるようになったのが昨今の環境です。
ぼくが最初に使用したのは板タブ→大学のラボでは液タブ→そして最近導入したiPadという使用遍歴ですが、細かい描写をしたいときは手元と画面が一体の液タブのがやはり描きやすいです。
それでは、快適なデジタルイラストライフを!