ロサンゼルスにあるカリフォルニア芸術大学キャラクターアニメーション科に留学中の髭猿です。2018年9月から留学2年目が始まりました。
キャラクターアニメーション科って実際何しているのかというと、
・ストーリーボード
・キャラクターデザイン
・レイアウト
・3Dモデリング
・2Dアニメーション
と結構色々やってます。去年の前期と後期の時間割もまとめてあります。
そんな中でも今回は2Dアニメーションの授業について、少しお話しようと思います。
去年は2Dアニメーションで苦しんだ
何を隠そう、ぼくが去年一番苦労したのが2Dアニメーションの授業でした。とにかくぼくはアニメーションが下手くそで。
『ああ、描けないなあ』と悶々としながら一年間を終えたのです。
しかし2年目に入り、なんか2Dアニメーション楽しい。明らかに去年よりもアニメーションが好きになっている。
きっかけをくれたのは今年の2Dアニメーションの先生でした。彼女はディズニーに勤める現役の2Dアニメーター。
現在、ディズニーのTV部門における2Dアニメーション制作は外注が基本なので、ディズニーお抱えの2Dアニメーターは二人しかいいないらしく、なんとそのうちの一人が今回の先生なのです。
この先生のアプローチが非常にロジカルで、今までアニメーションとは描く作業だと思っていたぼくは、とんだ誤解をしていたのだと気が付いたのでした。
アニメーションの基本は、タイミング・スペーシング・アーク
そもそもアニメーションは基本的にパラパラ漫画の要領で出来ています。子供のころに教科書の端に描いたことある人はイメージしやすいと思います。
アニメーションやパラパラ漫画は、ちょっとずつ物を描く位置をずらしていくことで動いて見えるという仕組みです。
で、作画をしていく際に、どれだけ描く位置をずらすか、どういう軌道でずらしていくのか、というのがとても重要なんですね。
これらをアニメーション用語でタイミング・スペーシング・アークと呼びます。専門的なことがもっと知りたい方はMiyukiさんのAnimation OBAKE!というブログを是非ご参照あれ!
去年のぼくはタイミング・スペーシング・アークが大切!という認識がただあっただけでした。
でも本当に大切なのは、どんなタイミング・スペース・アークにするべきか、しっかり考えることでした。それこそがアニメーションの本質だったんです(気が付くの遅)。
アニメーションはロジックだ
先生曰く、作画する前に今から作るアニメーションについてちゃんと考えろと。いきなり作画するなと。
動きのベクトルは?速さは?動く目的は?加速してく?それとも減速していく?そもそも動力は何?物体の素材は?物体の重さは?他のオブジェクトとの関係性は?感情は?
色んなことを考えて、作画の前にどれだけ準備・研究できるかが大切だと先生は教えてくれたのです。
去年、うまく描けないなあと思っていたぼくはAnimation=drawingだと思っていた。でもAnimation=thinking&findingだとようやく学んだのです。
描けないじゃなくて、描きたい絵が分かっていなかった。アニメーションが苦手な理由はそこにありました。
まとめ
去年はタイミングが違うなー、スペースが違うなーというだけでそこから先は思考停止してしまっていた。何故間違ってしまったのかを考えることをしなかった。
アクション作画監督の立中さんからお話を伺ったときも同じ印象を持ったけど、どうしてその動きになるのか、どうしてその表現をしたいのかロジックがしっかりしてることが大切なんですね。
ちなみに先生からアニメーションの参考図書として紹介されたのは当然こちら。言わずと知れたアニメーションのバイブルです。留学を考えている方は、是非英語で挑戦してみては?
おまけ:先生の名言
・毎回少しだけ挑戦しよう。あまりに大きな挑戦をしてしまうと、まだそれができるだけの技術が伴っていないので失敗してしまう。少しずつの挑戦を積み重ねることで、大きなことに挑める。
・マルチソースで多面的に学べ!(授業、映画、本、Youtube、etc.)
以上!良きアニメーションライフを!