最近VR業界が非常に盛り上がってきている。本体価格49,800円という従来と比較すると手頃な価格の機材が発売され、一般の家庭でもVRゲームをプレイしている人が増えてきて、まさに2019年は本当のVR元年と言えると思います。
VRヘッドセットのOculus Rift SとゲーミンPCを遂にゲットしました!Oculus Quest には非対応のVRペインティングをやりたかったので。既にめちゃくちゃ楽しい。せっかくなので他のゲームも追々やってみたい。 pic.twitter.com/qwUk6I6607
— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) August 7, 2019
そんな中、ぼくも先日ついにOculus Rift SとゲーミングPCをゲットしました。今年の夏は絶対にVRをやると決めていたので、実現できて嬉しい限り。
開封レビューは別記事でまとめてありますので、良ければそちらもどうぞ!
VRが盛り上がる背景となったのはOculus Questと呼ばれるVRヘッドセットの登場です。Oculus Questはスタンドアローン型なので何も気にせず本体だけ購入すればすぐに遊ぶことができます。一方ぼくが購入したOculus Rift SはゲーミングPCも必要。
実はOculus Rift Sは購入にあたって調べることが多く、かなり面倒くさい。しかも日本語の情報はまだ少ない。まじで面倒くさかった…。
ということで、Oculus Rift Sをプレイするために必要な環境や注意点について、色々分かったことをまとめておきます。同じ様にVRヘッドセットの購入を検討している方の参考になれば幸い。それではどうぞ!
VRヘッドセットの種類
VRはVirtual Reality(仮想現実)の略で、VRヘッドセットを使用してゲームなどを楽しむことができます。VRヘッドセットには大きく2つのタイプがあり、それぞれ以下のような特徴があります。
VRヘッドセットとゲーミングPCを接続して使用するタイプ。より高度な処理を必要とするゲームができる。
メリット:映像クオリテイ高、多彩な用途に対応
デメリット:ゲーミングPCも必要なので初期コストが高い、PCとのケーブル接続があるので移動範囲に制限がある
VRヘッドセット本体だけで使用できるタイプ。機動性や携帯性に優れる。
メリット:初期コストが安い、手軽にVRを楽しむことができる
デメリット:グラフィック品質などの処理能力が劣る、スタンドアローン型では一部対応していないゲームがある
おすすめのVRメーカー
VRヘッドセットメーカーと言えば、OculusかHTCが現在のところ世界的に見たツートップです。
OculusはFacebookに買収されたVRヘッドセットメーカーで、2019年8月現在は以下のラインナップがあります。
- Oculus Rift S:PC接続型
- Oculus Quest:スタンドアローン型
- Oculus Go:スタンドアローン型
ぼくがVRでやりたかったのは同じくFacebookが開発しているQuillというVRペインティングソフト。Quillは現在のところOculus Rift S(とその1世代前のOculus Rift)にのみ対応しているので、購入すべきVRヘッドセットは必然的にPC接続型のOculus Rift Sの一択となりました。
最初からVRでやりたいソフトが明確で、それに対応しているVRヘッドセットもひとつしかなかったのでここまではすんなり進みました。しかしここから厄介なことに…。
ゲーミングPCの購入にあたり気をつけること
さて、上述の通りPC接続型のVRヘッドセットは本体だけでは動作できないので、当然VR ReadyのゲーミングPCも必要になります。
グラフィックボード(グラフィックカードと呼ばれることも)というパーツが独立して搭載されているPCのことを所謂ゲーミングPCと呼びます。グラフィックボードは高度な映像処理をするために必要なパーツで、一般的なPCはマザーボード内に組み込まれている程度で独立したグラフィックボードは基本的に搭載されていません。
さらにVRコンテンツとなると通常のゲームの数倍の負担がPCにかかるため、より強力なグラフィックス性能を備えたPCが必要になります。そこでVRに対応したスペックのPCのことをVR Readyといい、一般的なゲーミングPCと区別しています。
ゲーミングPCにも多くの種類があり、中にはVRをやるにはスペックが足りないマシンや、そもそもOculus Rift Sと接続できないマシンがあるので、
- ゲーミングPCのスペックは十分か
- そのゲーミングPCとVRヘッドセットは接続できるのか
を必ず確認してから購入するようにしましょう。
ちなみにぼくは一度ゲーミングPCを返品しています(笑)。
返品大国アメリカで初の返品を経験しました。
・MSI GS75(ゲーミングPC)とOculus Rift SをニュージャージーのBEST BUYで購入
・Oculusは在庫がなかったので宅配に
・数日後Oculusが届くもMSI GS75はDisplayPortもMini DisplayPortも接続できないと発覚
・ニューヨークのBEST BUYでMSI GS75を返品— 髭猿 (@studyabroadAtoZ) July 24, 2019
購入したゲーミングPCとVRヘッドセットが見事に接続できませんでした。皆さんもお気をつけて。
ゲーミングPCのスペックは十分か
必要なゲーミングPCのスペックは、VRでどんなゲームをしたいかで変わってきます。VRゲームタイトル毎にゲーミングPCの推奨スペックが異なるので、十分な下調べをしてから購入しましょう。
ちなみにぼくの購入目的だったVRペインティングソフトのQuillをプレイするために推奨されているゲーミングPCのスペックは以下の通り(公式より)。
推奨プロセッサ | Intel i5-4590 / AMD Ryzen 5 1500X or greater |
---|---|
推奨グラフィックカード | NVIDIA GTX 1060 / AMD Radeon RX 480 or greater |
推奨メモリ | 8GB |
一応公式とはいえ、さすがにこれだと最低限の動きしか保障されていないような気がしてならない。メモリ8GBて。ということで、ぼくが購入したPCのスペックは以下の通りです。
プロセッサ | Intel i7-8750H |
---|---|
グラフィックカード | NVIDIA RTX 2070 8G Max-Q |
メモリ | 32GB |
上記リンク先のPCはぼくが実際に購入したものとはプロセッサとメモリが若干異なりますが、MSI GS65を購入しました。動作レビューなどもしていこうと思いますが、今のところはしっかり動いてくれています。
Oculus Rift SとゲーミングPCの接続方法について
ゲーミングPCのスペックが十分でも、VRヘッドセットと接続できないと意味がありません。Oculus Rift Sの映像出力端子はディスプレイポートもしくはミニディスプレイポートです。それに加えてUSB3.0でPCと接続します。
2年前くらいのゲーミングノートPCだとHDMI端子しか備えていないマシンも多いので要注意!!最新のゲーミングノートPCやデスクトップPCであれば大丈夫だと思いますが、いずれにせよ要確認です。最新モデルでも意外とHDMI端子しかなかったりするので…(ぼくがそうでした)。
ディスプレイポートをHDMIに変換するアダプタも販売されていますがそれでは動作しません。『現状動作確認ができているアダプターはなく、正常に動作するHDMI変換アダプタの開発については今のところ未定』とFacebookからコメントが出ています。
また、ディスプレイポートをUSBタイプCに変換するアダプタの場合は動作可能らしいけど、USBタイプCがCPUではなくグラフィックボードに接続されていないといけないそうです。
デスクトップ画面で右クリック→NVIDIAコントロールパネル
USBタイプCがグラフィックボードではなくCPUに繋がっている場合は変換アダプタを利用しても動きません。
とにかく、Oculus Rift Sを遊ぶ場合はディスプレイポートもしくはミニディスプレイポートに対応しているゲーミングPCが必要になります。
これからVRを始めようと思っている人はくれぐれもご注意下さい。
Oculus Rift SとゲーミングPCの接続方法は以下の記事で詳しくまとめてあります。
まとめ
VRヘッドセットとゲーミングPCの購入に関することで、ぼくが今知っている内容をここにまとめました。疲れたぜ。
単純にVRを視聴するだけの人は間違いなくスタンドアローン型を購入した方が良いです。一方VRを使って自分で絵やアニメーションを作りたい!という人はPC接続型をどうぞ。ゲーミングPCは知識がないと購入できないからなかなか面倒くさい…本当に。でもそれだけの価値はあるほど面白いです!
ということで、今後はVRペインティングに関するハウツーや考察記事も書いていこうと思います。
ちなみに、VRをゲットしてからYouTubeを教科書代わりに、独学で色々作って遊んでいたら、1年後にアメリカのミュージックビデオの仕事に繋がりました。
詳細はコチラ:趣味でVRをやっていたら1年後にアメリカのミュージックビデオの仕事に繋がった話
追記:実際にVRやってみた
2Dイラストには、下描きに3Dを使うという手法があります。3Dソフトでざっくりキャラクターのモデルや背景を作り、画面に配置して構図を決め、大まかなライティングを設定して絵のトーンを決め、その上から絵を描いていく、というものです。VRでも同じことがもっと手軽にできるので、早速VRを使ってつくったものをベースに、2Dイラストを描いてみました。
VRお絵かきソフトのQuillは、VRヘッドセットとコントローラーを使用して、VR空間に立体的な絵を描いたり、アニメーションを作ることができます。しかもソフトは無料。線を描く、線を曲げる、コピペ、色を塗る、拡大/縮小などなど、そこら辺のことを試してみました。
VRでモデリングをやってみました。Oculus Mediumの体験記は以下。