退職から1年半、2回目の挑戦でティム・バートンやブラッド・バードが通っていたカリフォルニア芸術大学に合格できました。そりゃもう本当に必死こいて頑張りました。何が辛かったかって、敵が多すぎるんです。海外美大受験って、あまりにも敵が多すぎる。
- そもそも海外美大留学の全体像がよくわからない
- 日本には海外美大留学コースが併設されている予備校が少ない。もちろん留学経験のある先生はもっと少ない→だから自分たちで予備校を作りました。
- ポートフォリオの内容で合否を判断されるが、その判断基準を誰も知らない
- 一般的な美大予備校の海外美大留学コースのカリキュラムはまだあまり確立されていない
- だから何をどう頑張れば良いのかさっぱり分からない
- しかも出願にはTOEFLという英語の鬼畜試験で80点以上が必要(英語のハードルその1)
- エッセイも必要(英語のハードルその2)
- 推薦文も必要
作品の制作だけでも大変なのに、情報不足や英語という敵が隊列を成して容赦なく襲ってきます。日本の大学受験でも色々面倒くさいですけど、海外美大受験の面倒くささ半端じゃない。
今回はそんな海外美大受験の中身を解剖していきます。海外の美大に興味がある方の参考になると思います。それではどうぞ!
海外美大留学の全体像
海外の美大に留学をするには、当たり前ですが受験して合格しなければなりません。この受験システムが特徴的で、現地の大学のキャンパスへ行って試験を受けるのではなく、国内からの手続きだけで出願から受験まで全て完了できます。
日本の美大だとデッサンなどの実技試験を受けなければなりませんが、海外美大受験は実技試験が一切なく、オンラインで自分の作品の写真を提出し、それをもとに合否がジャッジされる仕組みです。つまり簡単に言うと、必要なものを期日までに大学に提出すること=海外美大受験なんです。
海外の美大受験の全体の流れはこちらでより細かく解説しています。
海外美大受験に必要なもの
じゃあ何を提出すれば良いかというとこちらの通り。大学によって多少差はありますが、基本的にはこんな感じです。
Application form
出願者の個人情報をオンラインで入力するだけの簡単なものです。
ポートフォリオ
自分の作品集のことで、どの専攻の学生も大体20個前後の作品で構成します。
作品を写真で撮影し、オンラインで提出します。
『ポートフォリオを作る』ってよく言うけど、あれはつまりポートフォリオに入れる作品を作るという意味です。
関連記事:アメリカの美大を受験するも不合格。カルアーツに不合格だった理由を考察してみた。/ぼくがカルアーツに落ちた時のポートフォリオを晒す!こんな作品は落ちるから気を付けて
TOEFLもしくはIELTSのスコア
ETSという機関が運営している英語の試験で、英語圏で留学したい学生の英語力を世界共通の標準で測る試験です。
ETSから大学へ送ってもらいます。
関連記事:TOEFLってどんなテスト?鬼畜試験の概要についてまとめてみた/TOEFLのスコアが大学に届いていなかったからクレームの電話をした話
高校か大学の卒業証明書と成績証明書
どちらも英文で用意し、厳封で大学へ郵送します。
エッセイ
2~3つの設問があり、Application formの中で入力する欄がある大学もあります。
全ての設問あわせてワード1枚分くらいの分量で十分ですが、もちろん全て英文で作成します。
ビデオエッセイ
スカイプインタビューがない分、受験生を知るために始まった新要素です。
60~90秒の動画で、自己紹介や自分の作品の紹介をします。
推薦文
自分のことをアートの側面から理解してくれる人の推薦文が必要ですが、提出不要の大学もあります。
※大学院入試なら必ず必要だと思います。
ポートフォリオって何?
自分の作品集のことで、どの専攻の学生も大体20個前後の作品で構成します。ポートフォリオに入れるべき作品や条件は、大学からrequirementとして要求されているので、必ず自分の志望する大学のホームページを確認しましょう。
このポートフフォリオですが、作品の構成と順番が非常に重要で、自分の全作品の中から良い作品を上から20個選ぶような作り方は絶対してはいけません。
ぼくの先生は『自分の最高の作品を20個選びなさい。入れようかどうしようか迷うような作品は入れるな。絶対入れたいと思う、ベスト中のベストで構成しなさい』と言っていました。
TOEFLについて
こいつはただの英語の試験ではありません。
・海外の大学で実際に展開される“経済学入門”みたいな授業のレベルに合わせて作られている=難しい
・試験科目はライティング、リスニング、スピーキング、ライティングと全方位対応型
・しかも試験時間は4時間
・しかも受験料が1回2万円
・しかも大学にスコアを郵送するのに3週間くらいかかるうえ、ETS側は到着確認をしてくれない
という前代未聞の鬼畜試験なのです。
学部入試だと、どこの大学も出願するのに80点前後の点数が必要な上、ETSにスコア郵送の依頼をしてから大学に届くまで3週間以上かかるので、今すぐに英語の勉強は始めたほうが良いです。
留学費用、どう作る?
留学費用の工面は最も大きなハードルのひとつです。
各々の状況に応じて留学費用を集める戦略は様々考えられますが、
- 移住して生活コストを下げる
- 貯金する
- 借金・奨学金を利用する
- 転職して稼ぐ
- FXをする
- 副業をする
という方法が考えられます。
副業の中でも、特にブログのポテンシャルについては以下の記事で詳しく解説しています。学費が必要な人はブログでレベル上げて物理で殴れば良いと思います。
まとめ
- そもそも海外美大留学の全体像がよくわからない→こちらで解説しています!
- 日本には海外美大留学コースが併設されている予備校が少ない。もちろん留学経験のある先生はもっと少ない→こちらで解説しています!
- ポートフォリオの内容で合否を判断されるが、その判断基準を誰も知らない→こちらで解説しています!
- 海外美大留学コースのカリキュラムはまだあまり確立されていない→こちらで解説しています!
いかがでしたでしょうか?海外美大受験の事が少しでも伝われば幸いです。この中でも鬼門は何と言ってもポートフォリオとTOEFL。それぞれ別記事で解説しますので、そちらも参考にしてみてください。
海外美大の受験対策コース、ぼくらだったらこうするのに。ついにそれを形にしました。ぼくも講師を務めます。自分が初めてポートフォリオを作ったときに必要としていた人になれたら。そう思って皆さんに熱量をぶつけていきます。海外のアート留学に挑戦したい方、留学を「夢」として終わらせてしまうのではなく、一緒に大きな挑戦をし世界で活躍しましょう!